ミネラルウォーター市場が20年ぶりの前年割れ、夏の記録的な冷夏と値上げの影響で

2019年(1~12月)のミネラルウォーターの生産・輸入数量は、2000年以来、約20年ぶりのマイナスとなった。夏の冷夏の影響と大容量ペットボトル商品の価格改定が要因となっている。調査を行った日本ミネラルウォーター協会によると、2019年度のミネラルウォーター類の国内生産量は363万9511kl(前年比99.5%)、輸入量は36万1218kl(102.6%)で、合計400万729kl(99.8%)だった。
ミネラルウォーターの年間1人当たり消費量の推移

金額では、国内生産で3204億1000万円(前年比109.4%)、輸入で183億4300万円(101.0%)となり、合計で3387億5300万円(108.9%)となった。金額は7年連続で前年実績を上回った。単価の高いパーソナルサイズの小型ペットボトル商品が伸長していることが主な要因となっている。
 
同協会は、「昨年は(生産量が)前年割れになりましたが、ミネラルウォーター類は、近年以降成長を続けており、この20年で市場が4倍になりました。このことは、ライフスタイルが変化し、お客様がミネラルウォーター類を生活の中の飲料水として受け入れてくださっている結果です。今やミネラルウォーター類は、料理や乳児用ミルクにも使用されるなど、日常の生活の中でお客様に広く受入れられている商品になってきています」とする。
 
ミネラルウォーターは、2011年の東日本大震災以降、「命の水としての役割」も重要になってきている。近年、大きな災害が多発するなかで、行政や各家庭、職場、地域で、万が一のための保存水として、備蓄されている傾向にある。
 
なお、日本国民1人あたりの年間消費量[(国内生産量+輸入数量)÷人口]は、2019年は31.7L/年となり、前年並みだった。5年前(2014年の25.6L/年)より約6リットル増加しているが、諸外国に比べるとまだ低い水準となっている。