紅茶飲料市場は、昨年の生産量が前年比14.6%増の119.8万リットル、販売金額も15.2%増の2274億円となり、どちらも過去最高を記録した(全国清涼飲料連合会調べ)。

この成長を牽引しているのがキリンビバレッジの紅茶飲料ナンバーワンブランド「午後の紅茶」だ。昨年は、基盤商品のストレートティー、ミルクティー、レモンティーの有糖3品が小型ペットを中心に堅調に推移した。そして、ひと手間かけた甘くないおいしさの微糖「ザ・マイスターズ ミルクティー」(19年3月発売)と、カレーとの相性の良さをアピールした無糖茶「おいしい無糖」の活動強化でトライアルが増え、新規ユーザー拡大に成功した。

「午後の紅茶」は、今年の戦略においても、引き続きトライアルの獲得が最重要とする。同社マーケティング部ブランド担当の加藤麻里子部長代理は、「紅茶飲料は昨年拡大しましたが、清涼飲料全体の構成比では約5%と、まだまだ規模が小さいです。既存ユーザーのリピート購入への取り組みも大切ですが、今はユーザーをよりいっそう増やすため、トライアルしてもらう活動が非常に重要だと思っています。常に新しいお客様に入ってきていただけるような活動を進めます」と話す。
キリンビバレッジ マーケティング部ブランド担当 加藤麻里子部長代理

キリンビバレッジ マーケティング部ブランド担当 加藤麻里子部長代理

ユーザー拡大に向けて、「午後の紅茶」はサブカテゴリーの強化に取り組んでいる。紅茶飲料は、ミルクやレモンなどフレーバーで選ばれる時代が長く続いたが、それだけでは展開に限界があった。そこで、コーヒー飲料の市場を参考に、有糖、微糖、無糖といったサブカテゴリーを創出している。飲用シーンに合わせて選択肢を広げることで、幅広い世代の新規飲用者を獲得する考えだ。

2020年の活動では、微糖の「ザ・マイスターズ」シリーズから新たに「オレンジティー」を3月17日から発売し、働く大人の気分転換にふさわしい飲料として訴求する。「おいしい無糖」は、他の無糖茶飲料と同じ土俵で戦うために、食事とのマッチング訴求を続ける考えだ。

コミュニケーションでは、今年3月から新たに「幸せの紅茶、午後の紅茶。」をテーマに展開している。17日から放映されているCMは、女優の深田恭子さんを起用し、楽曲はRADWIMPSの野田洋次郎さんの書き下ろしのもの。日常生活の何気ない瞬間に幸せがあることを伝える内容だ。「“午後の紅茶”の広告を見たり、実際に飲んだ際など、“いつでもお客様をときめかせる存在でいる”ことを心がけたい」(加藤さん)。

紅茶は世界三大飲料とされるが、日本ではコーヒーに比べてユーザーが少ない。「午後の紅茶」の有糖、微糖、無糖を揃えるサブカテゴリー化に向けた活動は、紅茶が幅広い世代向けの飲料であることを、生活者が改めて認識するきっかけにもなりそうだ。