「コカ・コーラ」と「ジョージア」に100%リサイクルPETを採用、CO2を1本あたり約60%削減へ/コカ・コーラシステム

これからのチョイス!100%リサイクルペット
コカ・コーラシステムは5月13日、主力ブランドである「コカ・コーラ」や「ジョージア ジャパン クラフトマン」などの対象製品へ100%リサイクルPETボトルを5月31日から導入することを発表した。これにより、1本あたり約60%、日本のコカ・コーラシステム全体では年間約35,000トンのCO2排出量を削減できる見込み。また、石油由来原料から作られる新たなプラスチック量を約30,000トン削減できるという。

100%リサイクルPETボトルとは、リサイクルPET樹脂を100%使用した容器のこと。清涼飲料のトップメーカーが取り組みを拡大することで、業界全体に波及しそうだ。

日本コカ・コーラ社のホルヘ・ガルドゥニョ社長は、5月13日にオンラインで行ったサステナビリティー戦略発表会で次のように語った。「(100%リサイクルPETボトルへの取り組みは)プラスチックごみ対策と、新たに作られるプラスチックの使用量削減に向けて、大きな前進といえる。この一歩が廃棄物ゼロ社会実現への歩みをさらに加速するものと確信している」。また、同発表会のトークセッションには女優の綾瀬はるかさんも出席した。

綾瀬はるかさん、日本コカ・コーラ社 ホルヘ・ガルドゥニョ社長

綾瀬はるかさん、日本コカ・コーラ社 ホルヘ・ガルドゥニョ社長

 
日本のコカ・コーラシステムは、2018年1月に発表した「容器の2030年ビジョン」に基づいて、使用済みPETボトルを回収し、新たにPETボトルとして再生する「ボトル to ボトル」を推進している。すでに、2020年3月には「い・ろ・は・す 天然水」、4月には「い・ろ・は・す 天然水 ラベルレス」に100%リサイクルPETボトルを導入した。それにより、コカ・コーラシステムのリサイクルPET樹脂使用率は28%(2020年実績)となり、業界トップになっている。
 
そして今回、旗艦製品の100%リサイクルPETボトルの導入により、2022年にはリサイクルPET樹脂使用率を50%まで高める計画とした。さらに、2030年にはPETボトル容器を100%サスティナブル素材(リサイクル樹脂使用率90%、植物由来樹脂使用率10%)に切り替えることを目指している。
 
その際は、使用済みPETボトルの回収が重要になるため、啓発活動の一環として、2021年2月下旬から、全てのリサイクル可能な製品パッケージに共通の「リサイクルしてね」ロゴを導入している。また、リサイクルPET樹脂を100%使用した容器のラベルには「100%リサイクルペット」の表示をあわせて記載している。
 
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「リサイクルしてね」ロゴ

「リサイクルしてね」ロゴ

 
清涼飲料業界では、「ボトルtoボトル」の比率を2030年までに50%以上にすることを目指す「ボトルtoボトル50%宣言」を4月19日に発表した。ただ、2020年のリサイクルPET樹脂使用率の業界平均は約12.5%であり、宣言の実現に向けては、コカ・コーラシステムを中心とした大手メーカーの積極的な取り組みが重要になっている。
 
〈100%リサイクルPETボトル 対象製品〉
▽「コカ・コーラ」「コカ・コーラ ゼロシュガー」「コカ・コーラ ゼロカフェイン」(350ml/500ml/700mlPET)
▽「コカ・コーラ プラス」(470mlPET)
▽「コカ・コーラ レモン&ビタミン」(500mlPET/セブン&アイグループ限定商品)
▽「コカ・コーラ ラベルレス」「コカ・コーラ ゼロシュガーラベルレス」(350mlPET〈ケース販売用〉)
▽「い・ろ・は・す 天然水」(340ml/555mlPET)
▽「い・ろ・は・す 天然水ラベルレス」(560mlPET〈ケース販売用)
▽「ジョージア ジャパンクラフトマン ブラック」「ジョージア ジャパン クラフトマン カフェラテ」「ジョージア ジャパンクラフトマン 微糖」(各500mlPET、※メッセージボトルのみ対象)。

新たに100%リサイクルPETになる商品群

新たに100%リサイクルPETになる商品群

また、他の環境に配慮した容器包装の取り組みでは、5月31日から一部エリア・チャネルにおいて、紙カートンを使用した「コカ・コーラ」などのラベルレス4本マルチパックのテスト販売を開始することもあわせて発表された。対象製品は、「コカ・コーラ」350mlPET、「綾鷹」525mlPET、「アクエリアス」500mlPET、「い・ろ・は・す 天然水」560mlPET。