7月に入って気温の高まりともに水分補給の重要性が注目されている。2021年の夏もマスクをつけて過ごす機会が多いことが予想され、喉が渇く前に水分を摂取することが推奨されている。そんな夏の定番ドリンクのひとつに挙げられるのは麦茶だろう。

麦茶飲料市場は年々拡大を続けて2019年に約1105億円となり、10年間で約3.5倍の規模になった。2020年こそコロナ禍で外出自粛影響によりマイナスとなったものの、2021年に入ると前年を上回って推移している。2021年は「健康ミネラルむぎ茶」(伊藤園)、「GREEN DA・KA・RA やさしい麦茶」(サントリー食品インターナショナル)の2大ブランドに加え、コカ・コーラシステムも大型新商品の投入により麦茶カテゴリーを強化しており、市場はさらに活性化しそうだ。

カテゴリートップの伊藤園の「健康ミネラルむぎ茶」は、2021年1〜6月の累計実績が前年を超えて推移している。この夏は家庭内の“ちびだら飲み”にぴったりなホームパーソナルサイズとして、新たに1Lスリムペットボトル商品を6月28日から発売した。さらに、7月5日からは、笑福亭鶴瓶さん直筆メッセージの入ったデザインの「健康ミネラルむぎ茶」暑中お見舞いパッケージを数量限定発売した。このような施策を通じ、夏場の暑さ対策・健康維持をサポートするとともに、スポーツ時の飲用の訴求も継続強化する考えだ。

売り上げナンバー2は、サントリー食品インターナショナルの「GREEN DA・KA・RA やさしい麦茶」。特徴はアレルギー特定原材料等28品目不使用の麦茶として、子どもから大人まで幅広く支持されていることである。2021年4月からは、650mlと600mlサイズでリサイクル素材100%ペットボトルを採用した。7月6日からは650mlラベルレス製品を発売し、分別時にラベルをはがす手間がなく、人にも地球にもやさしい商品として展開している。

そして、現在市場を賑わしているのは、コカ・コーラシステムの大型新商品「やかんの麦茶 from 一(はじめ)」だ。4月の発売以来、麦茶飲料市場がいっそう活性化した。「やかんの麦茶」は、発売から2ヵ月で出荷本数 5,000万本(650mlPET換算)を突破したが、これは過去3年間で発売されたコカ・コーラ社の新商品としては最速の売上ペースという(本数ベース)。

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やかんで煮出したような本格的な麦茶の味わいを目指す商品で、厳選した大麦を100%使用し、コカ・コーラ社独自の高温煮出し製法に大麦エキスを加えた。ひと手間かけたおいしさにこだわった味わいが支持され、20〜40代の男女を中心に支持を集めた。浅葱色(あさぎいろ)を使用した視認性の高いパッケージデザインも好評だ。

他ブランドの麦茶も好調だ。アサヒ飲料は「十六茶麦茶」を展開しており、2021年1〜5月の麦茶飲料の累計実績は前年比112%と大きく伸長している。「十六茶」ならではのスッキリごくごく飲める味わいが支持された。さらに、ラベルレス商品が好調で、2020年実績を大幅に更新している状況という。

ポッカサッポロフード&ビバレッジの「伊達麦茶」も、1〜5月実績が前年比144%と好調。2月のリニューアル時に容量を525mlから600mlに増量するとともに、パッケージ正面に「東北宮城 大麦100%」と配置し、宮城県産の大麦を応援している商品であること伝えている。

麦茶飲料の成長したきっかけは、2011年の東日本大震災の際に、家庭の生活飲料として常備する人が増え、2リットルペットボトル製品が伸長したこと。そして、酷暑となった2018年に家庭内だけでなく外出先でも個人の麦茶飲料の飲用が増え、630mlや650mlペットボトルなど、やや大きめの中容量帯の人気が高まったことが挙げられる。

麦茶は、冷蔵庫の普及とともに家庭で水出しのティーバッグを使用する習慣が定着していたが、最近では、ペットボトルの麦茶飲料が家庭、外出先、スポーツ時の暑さ対策などのシーンで飲用されるケースが多い。無糖、ミネラル、カフェインゼロの特徴を背景に、だれでもおいしく飲める飲料として、幅広い年代から支持されてきたことが強みとなっている。

ここ数年は、季節を問わず飲用されるようになり、通年商品として展開するメーカーも増えたものの、やはり麦茶の最盛期は夏であり、今夏も麦茶飲料市場が活性化しそうだ。