気温の高い日が続き、水分補給の重要性が高まっている。官民が共同で取り組む「熱中症予防 声かけプロジェクト」によれば、汗を大量にかいた場合には、汗で失われた塩分も補えるスポーツドリンクや経口補水液などが推奨されている。また、食塩水(1リットルに1〜2gの食塩)も有効という。清涼飲料メーカーでは、水分補給を促すコミュニケーションと製品ラインアップの強化により、熱中症対策を推進している。

キリンビバレッジは、「キリン 世界のKitchenから ソルティライチ」において、楽しみながら熱中症対策をしてもらうため、5倍希釈タイプの「ソルティライチベース」でアレンジレシピをブランドホームページで紹介している。

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「ソルティライチとスイカのスムージー」

「ソルティライチとスイカのスムージー」

 
キリンビバレッジの営業部で「熱中症対策アドバイザー」の資格を取得している小川絵里子さんは、熱中症における救急搬送者数と死亡者数などについて、次のように語る。
 
「ここ数年熱中症救急搬送者数は5万人を超え、猛暑となった2018年は前年比1.8倍に急増した。コロナ禍での外出自粛の環境下でも2020年の死亡者、搬送者ともに前年とほぼ同じだった」、「汗で失われるのは水分と塩分。水分のみを飲むとカラダの中に水分だけが増えるので体液が薄くなる(濃度が下がる)。一時的にのどの渇きが止まり、(体液濃度を戻すために)尿で水分が出てしまうので、体液の量が回復しない。熱中症対策のための水分補給に必要な食塩相当量は100ml中0.1〜0.2gとなっている」。
 
そして、室内に置ける熱中症対策のポイントとしては、風通しを利用する、窓から差し込む日光をさえぎる、空調設備を利用する、そして飲み物を持ち歩くことを挙げた。
  
〈熱中症対策飲料が多彩に〉
また、最近ではスポーツドリンク以外でも、熱中症対策飲料規格に適合したドリンクが増えている。これは、飲料100mlあたりナトリウムを40〜80mg含有する清涼飲料水(食塩相当量として100mlあたり0.1〜0.2g)のこと。
 
サントリー食品インターナショナルは、水や炭酸ブランドなどでも熱中症対策飲料を拡充。「サントリー天然水 うめソルティ」や「デカビタC ダブルスーパーチャージ」など、生活者のそれぞれの嗜好に合わせて水分補給ができるように、熱中症対策製品を15アイテム以上まで広げている。
 
アサヒ飲料は、「濃いめのカルピス」や「三ツ矢グリーン」などが熱中症対策飲料規格となっている。「濃いめのカルピス」は、「カルピス」を濃いめに作ったような贅沢な味わいが特徴。宮古島の雪塩をひとつまみ加えた設計により、熱中症対策飲料の規格もクリアしていることから、毎年夏場の売れ行きは好調という。
 
夏の定番ブランドとして、代表的な「アクエリアス」や「ポカリスエット」も、熱中症対策に向けた活動を強化している。
 
日本コカ・コーラは、水分補給による熱中症対策の啓発に取り組む「アクエリアス」の活動として、6月21日に東京家政学院中学校(東京都千代田区)の生徒に出張授業を行った。講師を務めたスポーツの全日本チームのドクターとして参加する小松裕医学博士は、新しい生活様式における熱中症の注意点を紹介。
 
水分補給のポイントとして、「こまめにとる、がぶ飲みはしない」「のどが渇く前に飲む」「0.1〜0.2%の食塩を含むもの」「糖分は水分やナトリウムの吸収速度を速くする」などを挙げた。授業には「アクエリアス」商品担当者もオンラインで参加し、「水分補給は意識しないとなかなかできない。日常生活から水分補給を心がけてほしい」と語った。

小松博士

中学校で水分補給の出張授業を行う日本コカ・コーラ

 
大塚製薬は、特別協賛する全国高等学校総合体育大会(インターハイ、7月24日開催)において、2021年は新しい生活様式に対応した取り組みを通じ、選手・関係者の健康と安全な大会運営に向けた熱中症対策を行っている。
 
これは、参加選手全員に「ポカリスエット粉末(1L用×5袋)」と「大会ロゴ入りオリジナルスクイズボトル」を提供し、各会場の救護所に「ポカリスエット アイススラリー」を設置するもの。そして、実行委員会の担当者を対象に「熱中症対策アドバイザー」資格の取得を支援し、各会場の環境に応じて熱中症対策を推進している。
 
2021年もコロナ禍のため、マスクを着用して過ごす夏になる。マスク着用時は、マスクをしていないときに比べて、体温の上昇や心拍数・呼吸数の上昇、さらに血中二酸化炭素濃度の上昇も指摘されており、身体に負担がかかりやすい。製品やマイボトルで自分好みの飲み物を持ち歩き、「喉が渇く前に飲む」「こまめに水分補給する」「塩分も一緒に補給する」ことを心がけることで、熱中症対策に一層気を付けたい。