仙台市 政令指定都市で初の「ボトルtoボトルリサイクル事業連携協定」、伊藤園・ティーエムパックと締結

ペットボトルの水平リサイクルによる資源循環の取り組みイメージ
仙台市、ティーエムパック(宮城県仙台市)、伊藤園の三者は10月20日、仙台市内におけるペットボトルの水平リサイクルの実現に向けて、「ボトルtoボトルリサイクル事業連携協定」を締結した。

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ペットボトルの水平リサイクル(ボトルtoボトル)に本格的に取り組む自治体は増えているが、政令指定都市では仙台市が初めて。ペットボトルの国内資源循環への貢献を実現する考え。

今回締結した連携協定は、三者が連携して〈1〉仙台市が市民から回収したペットボトルを原料に再生事業者がボトル用ペレット(※)を製造〈2〉ペットボトル飲料の製造・販売を行うティーエムパックがペレットから生成されたリサイクルペットボトルを使用して飲料製品を製造〈3〉伊藤園が製造された飲料製品を域内(東北・北海道)で販売——という仕組みを円滑かつ効果的に推進するものとなっている。

※ペレット=PETボトルを細かく砕き、異物を除去し、洗浄、乾燥したフレークを一旦加熱溶融した後、細かな異物を取り除き、粒状にしたもの。

同協定により、2022年4月1日から取り組みを開始する。期間は2023年3月31日まで。仙台市から排出される使用済みペットボトルは、年間で約3800t。今回の協定では、2000tが伊藤園に、残りを日本容器包装リサイクル協会を通じてリサイクルを行う予定。製品は伊藤園の「健康ミネラルむぎ茶」600mlにおいて、今回の三者の取り組みを伝えるラベルを採用する予定。

伊藤園は2021年8月に、兵庫県姫路市と遠東石塚グリーンペット、キンキサインとともに、「ペットボトル資源循環型リサイクル実施に関する事業連携協定」(2022年4月開始)を結んでおり、仙台市は2カ所目の自治体となる。

ボトルtoボトルリサイクルは、繰り返しペットボトルにリサイクルすることができるため、新たな化石由来資源の使用量および廃棄物の削減につながり、国内での資源循環が可能となる、注目されている活動だ。また、バージンペットボトルと比較すると、約6割のCO2排出量の削減が期待されるという。

なお、伊藤園は2021年6月、2025年までに「お〜いお茶」ブランドの全ペットボトル製品を100%リサイクル素材等(生物由来素材を含む)に切り替えることを目指すと発表している。