日本のコカ・コーラシステム、2030年までの温室効果ガス削減目標を策定、直接排出量は2015年比50%減

日本のコカ・コーラシステムの温室効果ガス(GHG)削減目標
日本コカ・コーラ、北海道コカ・コーラボトリング、みちのくコカ・コーラボトリング、コカ・コーラ ボトラーズジャパン、北陸コカ・コーラボトリング、沖縄コカ・コーラボトリングの6社等で構成されるコカ・コーラシステムは、10月27日、日本国内のバリューチェーン全体における温室効果ガス(GHG=Greenhouse Gas)排出量について、2030年までの削減目標を策定したと発表した。

国内バリューチェーン全体の排出量を「スコープ1」〜「スコープ3」の3領域で捉え、「スコープ1(直接排出量)」と「スコープ2(間接的な排出量)」は2015年度の排出量を基準として各50%削減、「スコープ3(その他の間接的な排出量)」は30%削減を目指す。

スコープ1・スコープ2・スコープ3、各領域の詳細は以下の通り。

▽スコープ1(直接GHG排出量)
会社が所有または管理する資産から発生する排出量。工場やオフィス内での化石燃料の燃焼や、保有する車両の燃料消費が含まれる。

▽スコープ2(間接的なGHG排出量)
購入エネルギーの生成に起因する間接的な排出量。日本のコカ・コーラシステム各社が購入した電気、熱、蒸気の発生に起因する排出が含まれる。

▽スコープ3(その他の間接的なGHG排出量)
上流および下流のバリューチェーンにおけるその他のすべての排出量。製品の原材料の栽培や加工、包装材の製造や廃棄、自動販売機、店舗等に設置された同社の冷蔵庫の使用に伴う排出が含まれる。

米国本社のザ コカ・コーラ カンパニーとボトリング会社は、事業の成長と同時に、パリ協定ならびに科学的根拠に基づく絶対的な温室効果ガス排出量削減目標に沿って、サプライチェーン全体の排出量削減に取り組んでおり、全世界において2050年までに排出量実質ゼロの達成を目指している。

今回新たに策定した削減目標は、日本国内のコカ・コーラシステムの活動から直接または間接的に発生する温室効果ガス排出量の合計を、“SBTイニシアチブ”に基づき数値化し、温室効果ガスの絶対量削減を目指すもの。

“SBTイニシアチブ”は「科学的根拠に基づく目標」と呼ばれる。企業レベルの温室効果ガス排出量の計算は、WBCSD(世界持続可能な開発のためのビジネス協議会)とWRI(世界資源研究所)が管理する“企業GHG排出量のベストプラクティス標準”である「GHGプロトコル基準」と一致しているという。

この目標は、ザ コカ・コーラ カンパニーが全世界において達成を目指す目標(バリューチェーン全体で2015年比25%削減)レベルよりも高い、日本のコカ・コーラシステム独自の目標となる。

日本のコカ・コーラシステムでは、スコープ1〜スコープ3の各領域において、これまで温室効果ガス排出量削減の取り組みを進めてきており、今後も排出量削減に取り組むとともに、日本政府の掲げる温室効果ガス削減目標“2030年度の排出量を2013年度比で46%削減”の達成にも積極的に貢献するとしている。