イオン、地域スーパー事業会社を6エリアに統合 物流合理化、地域密着の体制強化へ

中四国エリアで統合を発表したマルナカの平尾健一社長(左)、マックスバリュ西日本の加栗章男社長(中央)、山陽マルナカの宮宇地剛社長(右)
イオンは10日、スーパーマーケット(SM)事業で、地方を6エリアに分割して、その地域にあるグループSMの事業会社の統合を行うと発表した。これまで重複エリアを担当する事業会社もあったが、物流拠点が別々になることがあるなどの問題があった。こうした物流の合理化を図るほか、より地域に密着した事業体制を敷くことで更なる事業拡大を目指す。まずは2019年3月に中国・四国エリアで取り組み、2020年度までに各エリアで基盤を整えて営業収益10兆円、営業利益3,400億円を目指す。

エリアは北海道、東北、東海中部、近畿、中四国、九州の6つ。会見の中で岡田元也社長は今回の発表について「(今の小売市場で)多くのスーパーは消費者のニーズに応えられなくなりつつある」と話す。今の消費者は低価格志向や、ローカル、ナチュラル、オーガニック、時短など嗜好が細分化している。イオンのSM事業の売上げは2000年度は0.3兆円程度だったが、2017年度には3.2兆円まで成長。ドラッグストアやネット通販などの異業種でも食品の取り扱いは増えている。今回の統合は「その地域で成長できる企業になることが目的」(岡田社長)だ。

今後は規模を闇雲に拡大するのではなく、従来の労働集約型のオペレーションモデルから脱却した、新たなビジネスの基盤構築に向けて動き出す。総合スーパーなどの大型店をベースとした物流センターやプロセスセンターを地域の店舗ごとに最適化する他、地元商品の発掘、独自のプライベートブランド商品の開発などにも取り組む。IoT や物流への投資も検討している。

〈冷食日報 2018年10月12日付より〉