セブン-イレブン・ジャパンは4月4日、古屋一樹社長が代表権のない会長に、永松文彦副社長が代表取締役社長に昇格する人事を決めた。就任日は8日。大阪のFC(フランチャイズ)加盟店オーナーによる営業時間短縮要請をめぐる対立など、加盟店と本部の関係が悪化していたが、経営体制の一新で関係を修復する。

4日に都内で行われた記者会見で井阪隆一セブン&アイ・ホールディングス社長は、24時間営業について、「一律に考える時代ではない」と見直す考えを示した。一方で、「24時間営業はセブン-イレブンの根幹。全体でやめることはできない。顧客や地域のニーズ、加盟店の経営状況を見ながら柔軟に対応していく。加盟店が24時間か時短かを選択できることではない」と述べた。また、出店を抑制し、既存店に投資を振り向け、オーナーの生活基盤安定化にも努める考えも示した。

井阪社長は永松氏を選んだ理由について、「加盟店の経営指導を長く経験し、労務管理、人事・教育にも精通しており最適と判断した」と説明した。「事前に本人と話し、古屋も理解している」とし、24時間営業を巡る問題で十分な対応ができなかった古屋社長の更迭ではないことを強調した。「組織的にコミュニケーションの目詰まりが起きていた。顧客の声にスピーディーに対応するのが流通の使命だが、古屋に情報が集中し、現場の状況が上がってこなかった」とも話した。
セブン&アイ・ホールディングス社長 井阪隆一氏

セブン&アイ・ホールディングス社長 井阪隆一氏

永松新社長は、「毎週やっていた(全国の社員との)ダイレクトコミュニケーションが今はテレビ会議になり、コミュニケーションの密度が薄くなっていた」と話した。井阪社長は、「加盟店オーナーとの緊密な意思疎通を図っていく。全役員が全地域を訪問して、ひざ詰めで課題を共有化して解決していく」と述べた。
 
従来は設備投資の6割を新店開発に充てていたが、今期からは新規出店を抑制し、投資の6割以上を既存店に振り向ける。新レイアウトへの改装前倒しで既存店の日販を向上させ、セルフレジや新検品システム、AI(人工知能)発注などの導入で省力化も進め、既存オーナーの生活基盤の安定化も支援していくという。
 
今期出店は前期より500店以上減の850店にとどめる。リロケートを含めた閉店は前年並みの750店を予定する。今夏新たに進出する沖縄での出店50店と合わせても純増は150店となり、800店前後の純増を継続してきた近年では一番の低水準になる。
 
セブンは粗利益の4~5割を本部にロイヤリティとして支払う契約で、粗利の残りでオーナーの生活とアルバイトの雇用を行っているが、人件費高騰でオーナーの取り分が減っていた。オーナーは日販を上げないと経営継続が難しくなっていたが、高水準の新規出店継続で、近隣にセブンがもう1店できるような状況が各地で起きていた。
 
〈食品産業新聞 2019年4月8日号〉