北海道から九州まで、全国の百貨店や駅ビルを中心に青果専門店を94店展開する九州屋(東京都八王子市)はこのほど、オンラインショッピングサイト「九州屋plus+(九州屋プラス)」をオープンした。全国に持つネットワークを生かし、プロが厳選した旬の青果物を、今一番おいしい産地から供給する。地域のみで消費され、一般の市場に出回らない商品や、スポットで仕入れたお得な商品なども随時扱い、リアル店舗と同じように、商品が入れ替わるオンラインサイトを展開する。

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九州屋は青果専門チェーンとしては国内最大手で、店舗は3分の2がいわゆる「デパ地下」の青果売場にあり、鮮度と味にこだわる顧客層に支持されている。東京の大田市場、多摩市場での仕入れに加え、北海道から九州まで全国にバイヤーがおり、各地域の市場からの仕入れもある。加えて全国に多数の契約農家を持ち、山梨県北斗市にはトマトを栽培する敷地面積1万坪の自社農場「明野九州屋ファーム」も持つ。小林拓社長は「基本的に扱えない商品はない」と話す。

小林社長は、「全国の産地とつながりがあり、全国にリアル店舗を展開することで、全国のお客様のニーズも理解している。その強みをオンラインでも展開し、九州屋のない地域にも当社のことを知ってもらいたい。コロナ禍でなかなか買い物に行けない状況なので、スピード感をもってサイトを立ち上げた。リアル店舗と同じように使ってもらえるサイトを目指す」と抱負を語った。

東京で仕入れた青果物を全国の店舗に毎日配送する自社物流があり、「その帰り便も活用して、各地域でのみ流通するものもオンラインで扱っていく」という。例えば北海道のアスパラ。北海道ではお中元やお歳暮とは別に、旬の時期にしかないアスパラを親戚などに贈る風習があり、大きな市場になっている。「こういった風習は全国各地にあるが、そこにいなければ知らない。そういったものを産直で全国の人に届けたい。その情報を取れるのは、現地にお店があるから」(小林社長)と、リアル店を持つ強みを強調した。

近年はオンラインでの生鮮食品の販売も増えている。ただ、リアル店舗は今朝仕入れたものをその日のうちに店頭に並べられるが、オンラインでは顧客に届くまでにどうしても数日かかり、鮮度感を維持できない。また、本当においしいものかどうかは、届いて食べてみなければわからない。その点、九州屋は全国に目利きのバイヤーがいることで、鮮度と味にこだわり、常に今一番おいしい産地や品種の青果物を販売することができる。

また、「大田市場を拠点としたバイヤーが、目新しいものが出たり、驚くような価格の商品が出たときにはタイムリーに仕入れ、オンラインにすぐスポットで入れられる体制になっている」という。先日もキャベツ2ケース(16玉)、送料込み1,000円、100ケース限定というスポット商品が出たが、1日で売り切れ、次の日にすぐに出荷したという。基本的には3営業日以内に発送だが、オンラインでもリアル店舗同様のスピード感で商品を供給できる体制も持つ。

現時点では約200品目の野菜、果物を扱うが、今後は600品目程度まで拡大する。配送料が一律550円(北海道・九州・沖縄は750円、税込み5,000円以上購入で無料)かかるため、現在は単品での販売は少なく、箱売りや野菜セットなどでの販売が大半だが、「鍋セットで春菊がいらない人には、ほうれん草や小松菜に変えるなど、選択肢を増やしていく」(小林社長)という。

九州屋は2015年にエア・ウォーターグループに入った。エア・ウォーターの農業・食品カンパニーには、九州屋のほかメーカー、卸など20社以上がある。「九州屋plus+」では「ゴールドパック」の野菜・果実系飲料などグループ会社の商品も扱う。現在は歳暮ギフトやおせちなども販売する。今後は食肉加工メーカーの「春雪さぶーる」「相模ハム」「大山ハム」のハム・ソーセージ、調理冷食メーカー「見方」の冷凍食品、スイーツメーカー「プレシア」のチルドスイーツなど、グループ会社の商品の扱いを増やし、グループの食のポータルサイトに発展させていく。「今後は当社からこういう商品を作ってほしいという依頼も行っていく」(小林社長)という。