ローソンの冷食 2025年売上“5倍”へ、馬刺し・ブランパンやマカロン・フォンダンショコラなど品目拡大、食品ロス削減も

ローソンの冷食(食事向けメニュー)
ローソンは2025年度の冷凍食品の売上高を、2020年度比で5倍に引き上げる意向だ。

家庭にストックしておける冷凍食品は、コロナ禍で最も伸長したカテゴリーで、食品ロス削減にもつなげられる。冷凍技術も進化しており、おいしさが向上し、高鮮度を維持できる商品も増えていることから、デザートや弁当、生鮮品など品揃えを増やし、売場面積も広げる。合わせてコロナ禍で大きく伸長した店内調理機能「まちかど厨房」の導入店も拡大する。

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11月25日に都内で行われた記者会見で、ローソンの竹増貞信社長は、「冷凍食品とまちかど厨房の構成比を高めて、食品ロスの削減へ切り込んでいく。消費期限が短く廃棄が出やすい常温販売弁当を、いかに冷凍や店内調理に置き換えていけるか」と説明した。

ローソン・竹増貞信社長

ローソン・竹増貞信社長

 
冷凍食品は長期保存ができ、簡便性が高いという利点がコロナ禍で浸透し、市場そのものが拡大している。ライフスタイルの変化に合わせ、さまざまな食シーンでの新しい需要も生まれていることから、ローソンではこれらに対応し、デザート、ベーカリー、弁当・麺、畜産・水産の4カテゴリーでの開発を強化していく。
 
これまで商品開発があまり進んでいなかった水産・畜産では、他のコンビニエンスストアにはない刺身を発売する。水産品では急速冷凍で細胞破壊を抑え、解凍後にドリップが出にくい「アルコール凍結」による刺身2品(真鯛、カンパチ、各税込み498円)を、2022年1月18日から関東・北陸・近畿の一部店舗で発売する。畜産では馬刺し、牛ユッケ風(各798円)を2022年1月25日から関東・北陸・近畿の一部店舗で発売する。いずれも流水解凍または冷蔵解凍で簡単に食べられる。

ローソンの冷食(馬刺し・ユッケ風)

ローソンの冷食(馬刺し・ユッケ風)

 
デザートは解凍不要でそのまま食べられ、チルドデザートとは違う食感が楽しめる。「4種のマカロン」(税込430円、11月30日発売)、「フォンダンショコラ2個入り」(税込399円、12月7日発売)の2品を順次、全国で投入していく。ローソンは「プレミアムロールケーキ」「バスチー」などチルドデザートの評価が高い中、コロナ禍の昨年から、あえて冷凍デザートにチャレンジしてきた。藤井均上級執行役員商品本部長は、「凍ったままや溶けかけなどの新しい食感を、顧客自身が研究して楽しんでくれていることで、(デザートの)マーケットも変化してきている」とし、冷凍デザートへの期待感を話した。
 
ベーカリーは小麦ふすまなどを混ぜて糖質を抑えた「ブランパン」の冷凍2品(イングリッシュマフィン2個入り278円、クロワッサン2個入り248円)を12月14日から全国発売する。弁当は丼2品(中華丼、麻婆豆腐丼、各399円)を2022年1月25日から全国発売する。将来は冷凍幕の内弁当の発売も目指す。麺類は9月から関東で先行販売しているラーメン2品(醤油、鶏白湯、各399円)を12月以降、順次全国に拡大していく。「麺とスープ、具材が一体で、容器のまま電子レンジで温めて即食できる。こういった商品は食品スーパーにもない」(藤井商品本部長)という。

ローソンの多彩な冷食ラインアップ

ローソンの多彩な冷食ラインアップ

 
今年度上期に、リーチインの冷食売場を2台から3台へ、オープン平ケースの冷食売場を1台から2台へ拡大する改装を500店で行った。品揃えを約60品から110品に拡大し、売り上げは4割増加した。同様の改装を今期中に約5000店に拡大する。
 
期初約6400店で展開していた店内調理機能「まちかど厨房」は、上期中に約7100店まで拡大し、今期末までに8400店まで増やす。外食に行きにくい環境の中、できたての商品が購入できることから売り上げを伸ばしている。店舗では売れ行きを見ながら作り置きし、スマートフォンで注文を受けてから作る対応も取れるので、顧客はできたてのものが購入でき、店舗側は廃棄ロスも減らせる。竹増社長は、「ローソンにしかない商品。災害時にも温かいものが提供できる」と、店内調理機能を持つ優位性も説明した。