〈総売上高500億円到達が目前〉

2017年度も基幹商品中心に好調に推移し、18期連続で増収となった。特に「麻婆豆腐の素」群は過去最高実績を更新し、売上高100億円を突破した。創業91年目にあたる今年は、100周年へ向けて目前に見えてきた総売上高500億円到達が大いに期待される。

――昨年を振り返って

2017年12月期決算は、年初の計画には至らなかったが、総売上高は前年を3%強上回って着地し、18期連続で増収となった。総売上高500億円の大台が目前まできている。

17年度は基幹商品群が好調に推移した。中華群、ふりかけ群は3年連続で売り上げを伸ばすことができた。釜めしの素群については、一昨年の価格改定の後遺症から昨年になってようやく回復の兆しが見えてきた。キャラクター群も一時落ち込んでいたが回復してきた。特に昨年は、新たに発売した「ミニオンズ」のふりかけが好評を得て、全体を押し上げた。

新商品については当面、売上構成比5%を目標としているが、昨年は目標に少し届かなかった。新商品の定着には時間がかかるが、引き続き育成に努めていく。

――ふりかけについて

「のりたま」や「すきやき」が好調だ。一時低迷していた「混ぜ込みわかめ」も回復基調にあり、前年実績をクリアすることができた。ただ、ソフトタイプは伸び悩んでいる。昨年、ふりかけ群は構成比の大きな「のりたま」ブランドの拡大と基幹商品の底堅い需要に支えられた。これに加え、20袋入りのミニパック商品が各種販促策により好調に推移した。

また昨年は、当社がふりかけ事業をはじめて90周年の節目の年だったことから、記念商品として創業商品のイメージを再現した「是はうまい」2品を発売したほか、ウェブ上で記念の消費者キャンペーンを実施した。

――中華群については

「麻婆豆腐の素」が引き続き好調だった。春雨シリーズも堅調に推移した。麻婆については、麻婆茄子など野菜系の商品は若干前年割れしているが、「麻婆豆腐の素」は16年に発売45周年を迎え、さまざまな販促策を講じて市場を盛り上げ、その効果が昨年も続いたようだ。

販促面ではテレビCMの効果も続いている。また、すぐに売り上げにつながるわけではないが、昨年もテレビ番組で当社商品もしくは関連商品が20回近く取り上げられ話題を呼んだ。

社会全体で簡便ニーズが高まるなか、当社の「麻婆豆腐の素」は昔からある安心のブランドとして支持されている。昨年は野菜の価格高騰も追い風となったようだ。中華市場全体では前年から微減となったが、売り上げがやや振るわなかったのは回鍋肉や麻婆茄子ジャンルだった。やはり野菜の価格高騰が響いたのだと思う。

「麻婆豆腐の素」では、レギュラー品に加え期間限定品を発売してバラエティ展開を行い、おいしさと目新しさを提案している。特に昨春発売した「鶏しお麻婆豆腐の素」は好評をいただき、発売期間を延長することにした。秋には「担々麻婆豆腐の素」も期間限定で発売した。レギュラー品と限定品を交互に購入するケースもみられ、食頻度の向上、市場活性化に貢献できていると思う。

「麻婆豆腐の素」群は、順調に伸びており、16年は前年から7%増、昨年も前年実績を上回って過去最高を更新し、高価格帯で展開する「贅を味わう麻婆豆腐の素」を含めた「麻婆豆腐の素」群として売上高100億円を突破した。

――釜めしの素、セット米飯は

釜めしの素は16年の値上げ以降、低迷していたが昨年ようやく回復に転じ、金額ベースで前年をクリアした。今年も例年好評の期間限定品を発売するなどで再活性化に努めたい。

セット米飯は、収益的には厳しいが簡単に食べられるところが評価されており、工夫次第でもっと売れると思う。売れ筋は「とり釜めし」「麻婆丼」「ビビンバ」など。シリーズ全体で約6億円を売り上げ、それなりの塊へと成長してきた。働く女性の増加や世帯構成の変化からみて、今後も簡便性や時短へのニーズはますます高まっていくだろう。そのような状況下で、手軽な主食への需要は大きいと考え、レンジ対応のセット米飯の各種提案を行っていく。

――業務用については

現状の売上高は十数億円ほどで、まだまだ規模は小さい。市場の大きさからすれば、もっと伸ばすことができるはずだ。将来的には最低でも売上構成比1割まで引き上げたいと考えており、まずは20億円をめざす。

基本的には家庭用を業務用にアレンジすることで対応しており、例えばふりかけに使う素材はCVSやスーパーの惣菜に使ってもらうなど、パーツを生かす提案も進めている。老人保健施設向けの給食などにも積極的に提案していく。

〈将来につながる新商品を育成〉
――今後の方向性は


国内市場を主体とするなかで毎年2~4%の成長を安定的に続け、利益を確保していかなければならない。

中長期的には人口減少によって国内の食品市場規模は縮小していくだろうが、当社が参入している簡便・即食の需要はまだ伸びると考える。そのなかで、どのように生き残っていくかが問われる。

例えば設備面では「麻婆豆腐の素」を作る設備で、他のレトルト食品を製造することもできる。現状では何かが伸びれば何かがへこみ、市場全体としては遊休設備が生まれることが多いので、これをうまく活用して行くことにも意味はある。

設備を更新する際にはより生産性の高いものを導入することになるが、投資に見合った生産金額を確保しなければやっていけないので、売れる商品を出し続けることが求められる。したがって、将来につながる新商品を育てながら、ロングセラー商品を恒常的にメンテナンスし、着実に売り上げを積み重ねて行かなければならない。

〈食品産業新聞 2018年1月1日付より〉