「第2回福利厚生EXPO」(リードエグジビションジャパン主催)が去る5月29~31日に開かれ、総務・人事・経理等の関連事業を行う企業約800社が出展して3日間で6万662人が来場、大いに賑わった。

福利厚生は優良人材の確保や離職率の抑制にとって欠かすことのできない取り組み。第一生命保険のまとめた2018年度の「福利厚生制度に関する実態調査」によると、約6割の企業で福利厚生制度の拡充を課題として挙げている。求職者にとっての会社選びの基準の一つにもなっており、社員のやる気を維持するうえでも欠かせない。

展示会では、健康増進をテーマにアプリと連動した健康社食の提案やデリバリー検索サイトと提携して老舗や有名な外食店のお弁当を提供できるサービス、あるいは自販機やラックを置くだけで、いつでも簡単に惣菜やお菓子を食べられる設置型サービスなど、様々な新サービスが披露された。

〈エームサービス、健診データをもとにしたおすすめメニューをアプリで配信、社食で提供〉
社食で健康に――。エームサービス(株)は、ヘルスケアテック事業者の(株)おいしい健康(東京都中央区、野尻哲也社長)と共同で、スマートフォン向けアプリを開発した。2020年4月に、健康診断のデータなどから社員それぞれに合わせたおすすめのメニューを配信し、それを自社の社食で食べられるサービスの展開を予定する。

社員の福利厚生の一環として取り組むため、サービス登録企業だけにアプリを配信する。実証実験では約8割の人がアプリ利用によって食生活や健康管理に前向きな行動を取るようになったという。同社では社員食堂を起点とした包括的な健康経営支援サービス「健康社食サービス」の構築に力を入れている。「おいしく健康的な食事で会社と家庭をつなぐ」をコンセプトとした健康社食プロジェクトは2014年に開始し、これまでに20社以上の社員食堂で料理を提供してきた。「毎日の食事を楽しみながら、社員の健康管理を容易に支援する」ことをコンセプトの一つとしている。

今回開発の同アプリは企業の健康診断のデータを活用することで、それぞれの健康状態に最適なメニューを摂れる。社員食堂での食事履歴をもとに、栄養素の過不足の分析や食事傾向を分析する機能なども搭載している。また、社員食堂で食べた食事は自動的に記録される。同社の担当者は「オーダーメードのスーツ販売は増えつつある。食事もそれぞれに合わせた提案のほうが喜ばれると思う」と力を込める。社員食堂で食べたメニューなどをもとに、家庭でのメニュー提案も行う。調理動画も見られる。足りない栄養があれば、間食などで簡単に摂れる食品のおすすめ機能も搭載する。また、歩数計の機能もあり、社員同士で歩いた距離を競い合うこともできる。

実証実験は2018年10月から三井物産(株)の社員食堂で実施した。利用者にアンケートを取ると、食生活や健康管理への関心が高まったと答えた人は全体の89%にも上った。具体的な行動につながった人は79%となっている。「参加した人は決して健康に意識の高い人ばかりでなかった。それでもこれだけの人の行動の変容につながったのは驚いた」(担当者)。

今後は個人情報の取り扱いなどに留意しつつ、細かな機能改善に取り組む。担当者は「例えばラーメンを食べた際にスープを残しても、今の段階だとすべて飲み干した状態で記録されてしまう。自分である程度入力できるようにするなどして、より良いアプリにしたい」と話した。

〈ソフトバンク、オフィスなど向けの無人販売サービスを提供開始〉
ソフトバンク(株)はオフィスや工場などで菓子や飲料、パン、冷凍食品などを無人で販売するサービス「スマートマルシェ」の提供を5月22日から開始した。企業の福利厚生の一環として訴求する。セルフレジ用のタブレットや決算端末を利用しており、早朝や夜間、昼食時でも気軽に商品を購入できる。支払いはQRコード決済の「PayPay」に加えて、「Suica」などの交通系電子マネーでも行える点も特長だ。

サービス提供開始から短期間で多くの企業に導入しており、設置の目標は19年度中に1,000拠点以上を目指す。商品はソフトバンク(株)側で選定する。スナックやカップ麺、パンに加えてマスクなどの日用品もそろえる。冷凍庫を設置すればライスバーガーなど即食性の高い冷凍食品も購入できる。現金を使わないため価格の設定は1円単位で行える。

担当者は「価格の都合で今まで置けなかった商品をそろえられる点はメリットの一つ」と話す。リアルタイムで在庫管理を行なっており、在庫率を見て適切なタイミングで商品を補充している。企業によっては買い物場所が近くにないこともあり、無人で手軽に菓子などを購入できるようにして社員の満足度向上に寄与する。

「交通系電子マネーなら都心で働く人の多くは持っていると思う。他には少ない決済方法を使える点は強みになると思う」(担当者)。導入条件は月商2万5,000円以上で、設置フロアの人数は100人以上を目安としている。他の企業とワンフロアを共有しているなど、設置環境によっては100人以下でも導入を検討できる。設置や運用は無料で、電気代は設置企業の負担となる。

今夏には社員割引で商品を販売できるサービス(割引額は設置企業負担)もリリース予定だ。現在は東京23区内のみで展開している。将来的には広域展開も視野に入れている。
無人で手軽に菓子を購入、支払いも簡単/ソフトバンク

無人で手軽に菓子を購入、支払いも簡単/ソフトバンク

〈シュガーレディ本社、冷蔵庫の設置で惣菜をオフィスで簡単提供〉
 (株)シュガーレディ本社はオフィス向けの宅配サービス「オフィス・シュガーレディ」を紹介した。オフィスに設置した冷凍庫にシュガーレディの商品を月2回、届けるというもの。社員は100~ 200円で購入できる。サービスエリアは関東や中部、関西、中国、九州エリアで展開している。冷凍庫や電子レンジはシュガーレディで用意する。担当者によると、用意した冷凍庫には75品目が入るという。月額のサービスとシステムの利用料は3万円から。商品は化学的合成添加物不使用を打ち出す。担当者は「サービス開始から1年半ほど経つが、利用も広がってきた。手作りの味を出せることを強みに提案をしていく」と話した。

シュガーレディのおいしい惣菜をオフィスで

シュガーレディのおいしい惣菜をオフィスで

〈冷凍パンの宅配サービス、パンフォーユー〉
オフィス向けに冷凍パンの宅配サービスを行う(株)パンフォーユーも出展した。
 
同社で町のパン屋さんの商品を探して、独自の冷凍技術を使って各オフィスに届けている。商品は毎月8種類前後を用意する。オレンジピールを練り込んだバケットやカレーパン、わさびを塗ったパンなどの変わり種もあるため、社内のコミュニケーションを活発化することにも一役買っているという。中にはSNS上でファンサイトも立ち上がったほど。企業で導入を決める前に無料で試食会も実施している。電子マネーのSuicaなどの決済にも対応した。現在はNTT DOCOMOや三井不動産などの大手企業で利用されている。

町のパン屋さんの商品をオフィスへ/パンフォーユー

町のパン屋さんの商品をオフィスへ/パンフォーユー