大阪城(大阪市中央区)周辺で新たな「食」のスポットが次々と誕生している。6月22日にはJR大阪城公園駅前に「JO‐TERRACE OSAKA」(ジョー・テラス・オオサカ)、そして10月19日には大阪城本丸広場に「MIRAIZA OSAKA‐JO」(ミライザ大阪城)がオープンした。これまで大阪城周辺には食事する施設が少なく、来場者の滞在時間も短かった。両施設を管理する大阪城パークマネジメント共同事業体は、「食事を楽しみながら、1日中ゆったりと楽しみ、夜の大阪城の魅力も知ってほしい」と意気込む。インバウンドを中心とした観光客でにぎわいを見せており、新たな名所誕生に期待がかかる。

大阪城天守閣の入館者数は9月で1931年の開館以来、累計で1億人を突破。10年度以降も右肩上がりで増加しており、昨年度は255万人と2年連続で過去最高を更新した。ジョー・テラス・オオサカおよびミライザ大阪城のオープンによって、大阪市民はもとより、国内外のより多くの観光客の取り込みも図る。
重厚感あるミライザ大阪城

重厚感あるミライザ大阪城

6月にオープンしたジョー・テラス・オオサカでは、老舗ベーカリーや鉄板焼屋、ビュッフェレストランなど現在20店舗が営業中。飲食施設以外にランニングスペースを用意しているほか、インバウンドをターゲットとして大阪のうどんや和スイーツと共に和装を体験できる店舗もかまえている。「近所によくある外食店ではなく、遠くからでもわざわざ来たくなるようなお店に入ってもらった」(同事業体)としており、こだわりの店舗が並ぶ。

近隣には大阪城ホールが存在し、イベントやライブの開催日などは対応が難しいほど来場者で賑わうという。「ようやく飲食できる施設が完成した」という声も多く、若者から高齢者まで幅広い客層を取り込むことに成功している。

一方、10月にオープンしたミライザ大阪城は、築86年の歴史ある洋館である旧陸軍「旧第四師団司令部庁舎」に約18億円を投じて改修した建物となっている。ジョー・テラス・オオサカのカジュアルなイメージとは対照的に、重厚感のあるロマネスク調の施設内には、大阪をはじめとした近隣の地元食材を使用したフレンチベースの創作料理を提供するダイニングや、イタリアンをベースとした料理を提供するレストランが並ぶ。

「世界が共感するクールジャパンで国際都市のランドマークに」をコンセプトに、レストランやバーなど、日本のクールさを現代風に再編集して国内外へ発信する施設と目している。また、春から秋にかけては、これまで立ち入ることのできなかった屋上でバーベキューやビュッフェを楽しむことができる。

両施設のオープンで、飲食や休憩が可能になり、これまで日中にしか訪れなかった大阪城への来場者の滞在時間が延びることが見込まれる。また、国際会議で来日する外国人来場者の取り込みにも意欲的で、国際色豊かな新たな観光地として今後さらなる発展が期待される。

〈食品産業新聞2017年12月7日付より〉