マック好調、ファミレスも堅調、半数以上が増収増益/外食18年12月期中間決算

日本マクドナルドHDは売上高・営業利益ともに大幅な増加
当社は上場外食企業の2018年12・11月期第2四半期決算と18年5・6月期決算概況をまとめた。第2四半期の増収・営業増益企業は11社中6社で、前年の12社中4社より増加した。

メニュー施策が功を奏した日本マクドナルドホールディングス(以下、HD)が収益ともに大きく拡大。すかいらーくHD、ロイヤルHDのファミレス事業の既存店売上高も堅調だった。一方、前期に続き、採用コスト・人件費の上昇、原材料価格の高騰が、各社の利益を圧迫し、生産性向上を目的としたシステム投資も一部企業の減益につながった。

上場外食企業の2018年12・11月期第2四半期決算と18年5・6月期決算概況

トップのすかいらーくHDは増収、営業減益で着地した。既存店成長のための投資など一過性コストの発生もあり、営業利益は約2割の減少。人件費については、新規出店による店舗数増加影響で19億円、単価上昇により9億円のコスト増となった。一方、既存店売上高については前年同期比0.1%減とフラットで着地。新規店舗は、からあげの「から好し」、しゃぶしゃぶの「しゃぶ葉」を中心に56店舗を出店した。同社は昨年から新規出店を強化しており、今期中に約100店舗を計画。また既存店のリモデルも実施しており、今期は和食業態を中心に200店舗規模を予定している。「夢庵」「藍屋」で個室を設置し、会食・宴会需要の獲得を目指し、既存店売上高の拡大につなげる考えだ。

続く日本マクドナルドHDは売上高、営業利益ともに前年同期比で大幅な増加となった。メニュー、バリュー、ファミリー、ブランドといったコアビジネスへの注力が功を奏し、既存店売上高は8.9%増で着地し、11四半期連続でのプラスとなった。うちメニューでは、夜の時間帯に100円追加するとパティが倍になる『夜マック』を導入、バリューでは『お手頃マック』の拡充などを実施した。

上期は純増で3店舗を出店。通期見通しでも増収営業増益を見込んでおり、継続的なビジネスの成長に向け今後、新規出店を進めていく。

ロイヤルHDは、前期からの出店効果により増収も新規出店や生産性向上を目的としたシステム投資により、営業利益、経常利益、当期純利益は減益で着地した。うち主力の外食事業は減収・減益となった。「ロイヤルホスト」は、店休日の導入影響を既存店売上高の伸長(3.8%増)がカバーし好調に推移するも値上げのインパクトが強かった「てんや」が苦戦したことが要因。空港ターミナル・高速道路への新規出店や既存店が堅調だったコントラクト事業は増収・増益、インバウンド効果もあり増収となった機内食事業、ホテル事業はそれぞれ人件費、開業コストにより減益となった。

ペッパーフードサービスは、「いきなり!ステーキ」の快進撃で前期比8割増の大幅増収、増益で着地。同業態の新規出店数は98店舗(うち海外5店舗)で、総店舗数は284店舗となった。ダイナックHDは前年を上回る積極的な新規出店・業態変更に伴い各段階利益が減少。営業利益率13.7%と高水準を達成したアークランドサービスHDは、食材原価や人件費などのコスト増があったもののカツ丼「かつや」、成長株のからあげ「からやま」がともに好調で増収・増益につながった。28店舗を新規出店した串カツ田中は、既存店売上高も2.8%増と堅調に推移した。

一方、6月期決算では、物語コーポレーションが「焼肉きんぐ」を筆頭に既存店増収、店舗増加が寄与し収益ともに拡大。三光マーケティングフーズは「金の蔵」など総合居酒屋が引き続き苦戦し減収、各段階利益は赤字となった。

〈食品産業新聞 2018年8月30日付より〉