〈既存店売上増加や合理化努力など寄与/主要外食企業の2020年3月期中間決算〉
上場外食企業の上期業績が出そろった。人件費・物流費といったコスト上昇に対して、既存店売上の拡大や合理化努力といった施策の寄与により、一定程度カバーできた売上高上位の企業中心に業績は回復、あるいは拡大基調にある。

逆に結果として施策が奏功しなかった企業は、コスト上昇に加えて天候災害なども逆風要因となり、損失を広げたケースも散見される。下期は消費増税という確定していた「災害」にも直面する形となり、さらなる増収・合理化努力が必要になると思われる。

〈海外出店や定期的な新メニュー投入で伸長〉
上場外食企業の2020年3月期・第2四半期決算(一部2月期企業含む)の売上高上位50社と、2019年8月期・9月期決算の4社の概要をまとめた。

第2四半期決算50社のうち、増収営業増益となったのは20社、減収減益は5社、営業損失は7社となっている。売上高上位10社のうち、減益企業はダスキンのみだが、セグメント別のフードグループは増収営業増益となっており、収益の回復傾向がうかがえる。

トップのゼンショーHD(ホールディングス)は増収大幅増益と好業績を上げている。牛丼カテゴリーの「すき家」「なか卯」は、既存店の売上が好調、海外出店効果も寄与する形で売上高4.0%増となっている。ファストフードカテゴリーの「はま寿司」も既存店売上が好調、マレーシアのチキンライスチェーンの子会社化も寄与し、売上高9.5%増と伸ばしている。

コロワイドは出店を上回る不採算店の閉店を行った関係で減収となっているが、営業利益は20.8%増と大きく改善した。メニュー見直しによる食材の絞り込みと歩留まり向上、セントラルキッチンの生産性向上、不採算店閉店による人件費上昇圧力の吸収といった合理化努力によるものとしている。

吉野家HDは前期の営業赤字から黒字回復、セグメント別の「吉野家」が創業120周年を期に、牛肉関連新メニューを定期的に販売するなど、既存的売上が好調に推移したことなどで売上7.6%増と伸ばし、さらにうどんチェーン「はなまる」の売上も7.3%増と伸ばしたことが寄与した。
主要外食企業 2020年3月期(一部2月期)第2四半期決算 売上高1~30位

主要外食企業 2020年3月期(一部2月期)第2四半期決算 売上高1~30位

一方で、売上高31位~50位の中堅企業は減収営業赤字の企業が目立っている。
 
減収営業損失のヴィアHDは、居酒屋業態の既存店売上の減少と、昨年度の新店売上が想定を下回ったことで粗利益も減少し、人件費や物流費の上昇などを吸収できなかったとしている。同じく大戸屋HDは4月にグランドメニューの改定を行ったほか、地域限定メニューの導入などの取り組みが結果として既存店売上の回復に寄与せず、さらに台風など自然災害にもたたられる形となったとしている。

主要外食企業 2020年3月期(一部2月期)第2四半期決算 売上高31~50位

主要外食企業 2020年3月期(一部2月期)第2四半期決算 売上高31~50位

〈スシローHDは都心での出店を強化、売上・利益で最高更新〉
2019年8月期・9月期決算企業では、9月期のスシローグローバルHDは売上・利益ともに創業来最高を更新と好調だ。「スシロー」業態は期間中、東日本中心に26店舗を出店(閉店4店舗)して531店舗となり、業界トップの店舗数を維持、今後は都心での出店を強化するとしている。さらに商品キャンペーン効果で既存店客数4.2%増と伸ばし、昨年9月に実施した皿価格改定で「100円皿」以外の売上比率が高まり、客単価も3.1%増と伸ばしている。今後は寿司居酒屋業態「杉玉」への拡大にも期待をかけている。
 
8月期のサイゼリヤも増収増益、国内では新店売上を、既存店の減収と閉店による減収が上回り、トータルでは減収だが、海外での新店・既存店売上がそれをカバーした。営業増益は、物流費や労務費の増加を、海外での増収効果に加え、原材料など国内外での原価率の改善が上回ったことによる。

主要外食企業 2019年8月期・9月期本決算

主要外食企業 2019年8月期・9月期本決算

〈食品産業新聞 2019年11月28日号〉