日清医療食品「ヘルスケアフードファクトリー亀岡」竣工 最新設備導入で自動化・省力化を推進

缶詰フルーツ下処理機
日清医療食品がこのほど京都府亀岡市に竣工した国内最大級のセントラルキッチン「ヘルスケアフードファクトリー亀岡」は最新の機器・設備を導入し、自動化・省力化の工夫を随所に施している。

イージーリフトは1台のバキュームモーターだけで、吸着と持上げの両方の作業を行える真空方式バランサー。ターボファンの吸引力を利用し、女性でも簡単にかつ安全に作業を行うことができる。作業者は腰に負担をかけることなく、まるで自分の手で運んでいるようにスムーズな作業が可能だ。豊富なアタッチメントで、様々な用途に使用できる。

高速脱水機は低温(5度)による水しめ機能を兼ね揃えた脱水機。野菜・カット野菜の水切りに最適で、ざるカゴを使用することで効率良く作業できる。制御盤一体型でアンカーを打つことなく、振動も少ない。

簡単操作のスイッチで回転速度3段階の切り替えが可能だ。生フルーツ下処理機はコンベアに載って流れてきた外装殺菌された他品種のフルーツを安全に安定的に処理する高度オーダーメイド機器。機器は3 段のコンベアから成り、中段のコンベアにフルーツが流れてくると作業員が手に取り、自動皮むき機で皮を剥く。剥かれたフルーツは上段のコンベアに、皮は下段のコンベアに載る。その後、フルーツは洗浄・殺菌層に流れ、皮は逆方向に流れて、汚染区域の容器に入り廃棄される。特に菌数が多いパイナップルなどのフルーツは、皮を剥いた後も殺菌を強化する必要があり、洗浄・殺菌層を三層設け、微酸性電解水に10 分間付けて菌の増殖を抑える。

缶詰フルーツ下処理機は殺菌された缶詰がフルーツ下処理室に入ると、缶から中身を取り出し、果肉とシロップに分ける。果肉は殺菌水で洗浄され自動計量機によって専用容器に計量され、その後再度シロップを投入しパッキング・外装洗浄と乾燥・ラベル貼り・異物検出器を通り自動倉庫に送られる。下処理した食材を1階から2階に上げる際、70m強の直線距離を台車で運ばなくてはいけない。その大変な労力を回避するため導入されたのが自動搬送機(AGV)。左右のステーションに人が1人いれば、長い距離を歩かずとも食材を運ぶことができる。自動搬送機にはホテルパン30 枚(約40kg)が収載可能だ。AGV運行エリアに人や障害物があると検知して止まり、障害物が無くなれば自動で再開する障害物検出センサーが付いているので安心して使用できる。

調味料調合機はしょうゆ、酒、みりんなどの調味料を操作画面で指定した分量だけ投入できる調合機。量が多いので釜を使用しており、釜は回転しながら撹拌する。釜はジャケット型になっており、蒸気で加熱、チラー水で冷却し粗熱をとることができる。蒸気を使用するため、劣悪な環境になりやすいので、釜のあるエリアと作業エリアの作業環境を空気で区分できるエアーカーテン方式を導入している。

過熱水蒸気調理機は一列にホテルパン4枚を連続的に加熱する。その後、接続されたトンネルフリーザーで自動的に冷却。加熱機と冷却機は連動しており、加熱機で設定を変えると冷却機も設定変更できる。トンネルフリーザーは自動洗浄機能付きだ。

ホテルパン積載機は冷却されたホテルパンに蓋を自動で載せる積載機。人手でホテルパンを載せる必要なく、台車にも自動で積載できる。

予備加熱・冷却後、本加熱・冷却され、食材は包装充填室に入る。計量後、深絞り真空包装機と縦型真空包装機にかけられる。食材の形態によって包装機の変更が可能だ。包装時に内容が包材に印字される時、職員が印字バーコードを読み込みコンテナに箱詰めすることで、コンテナとコンテナの中の商品をリンクさせ、商品の入数・品種をデータ化する。コンベアを通った商品は自動倉庫に収められる。

包装充填室で包装された商品はコンベアに流され、自動的に仕分けられ、自動倉庫に収められる。出荷日になると、生産計画に基づいて出庫指示が出る。すべてコンピュータ制御されており、指定した商品は棚からものすごいスピードで出され、配送ルートごとに自動で振り分けられてパレットに積まれ出荷される。敷地面積は150平米。

〈冷食日報2017年10月18日付より〉