〈ウィンザー社で米飯・ラーメンが上乗せリテール伸長〉
味の素冷凍食品吉峯英虎社長は8日記者会見し、今期の国内外の事業進捗と着地、18年度の事業の方向性を語った。

「2017年度の家庭用冷食市場は堅調、業務用は少し劣るが市場は伸長している。家庭用は弁当品が復活を遂げていないが、食卓への提案が増えている。業務用は外食復活、惣菜堅調で伸長。一方、販売は5割引やEDLP で冷食は目玉だ。メーカーは価値と価格について流通とともに是正、適正化する必要がある。もう一つは円安が効き始め、原材料費、物流費、パート時給2,000円といった人件費高騰の動きが顕著になった。17年度前半はまだよかったが、後半は利益面で苦しい局面に入った。

海外市場は、北米市場は横ばいだが、アジアエスニック分野は4~5%増。欧州市場のアジアエスニックは二桁伸長、約4億ユーロ(約640億円)市場になっている。

味の素冷食の業績は、17年度上期は合計5%増991億円、事業利益60億円。国内事業は5%増509億円、海外は6%増482億円とほぼ50%ずつ。国内家庭用は市場の4%増上回り好調。継続伸長の『ギョーザ』は前年を上回り、『ザ★チャーハン』は二桁伸長、『ザ★シュウマイ』『おにぎり丸』が上乗せした。『ザ★シュウマイ』の発売は焼売市場の24%伸長に貢献し新たな冷食需要者を獲得している。業務用は市場を下回り横ばい。デザート、餃子、焼売のコアカテゴリーは拡大したが、大手需要家の大型商品に前年を割るものがあった。

海外は、構成比の大きい味の素ウィンザー社で米飯・ラーメンが上乗せし、リテール市場は伸びたが、イタリアンが大手のカットがあり現地通貨ベースで前年並み、為替換算した円貨ベースでは6%増。

事業利益は国内44億円で前年を上回り、海外は16億円で下回った。国内は為替円安、原材料・物流・人件費高騰の中で、売上拡大と生産性改善、コストダウン策により増収増益を確保した。海外は原材料高騰、特に牛肉とチーズが高騰、また新生産工場の体制構築を進めているが、アペタイザーのジョプリン工場の遅れとイタリアンの落ち込みで減益」。

〈生産性向上は生産・本社・営業など全てのバリューチェーンで〉
「下期10~11月は、家庭用は昨年同時期の吉本コラボ企画以上に『ザ★チャーハン』『ザ★シュウマイ』が上乗せし好調、業務用は一部大手ユーザーの不安定さは残るが、外食と量販店惣菜大手の牽引、地域営業部の外食・居酒屋が伸びている。下期後半は提供者のオペレーション課題解決型の『袋のままスチコンで焼餃子』、経時変化に強い『ガツうま!チャーハン』などが貢献する。海外もウィンザーでの減はあるが、全面改定した『LingLing』と『TAIPEI』の取り扱いが増えるため、現地通貨ベースも円貨ベースも堅調と見ている。欧州は主力エリアのフランス、ドイツが好調で、5年連続20%増を超えている。フランスでは冷食会社ラベリ・テレトル・スージェレ社(LTS 社)を買収、全株取得を11月初旬に終了した。我々のメンバーが経営者として加わり、生産基盤、販売チャネルを精査し、事業シナジーを算定する。

10~11月の収益面は円安、タイバーツが強いなどネガティブな状況が続く。コメなど原材料高もあり厳しい経営環境だが、17年度下期、18年度はその環境をどう打ち返すかがテーマになる。18年度はあらゆる面で生産性向上を図る。生産性向上は工場のほか本社、営業を含めたすべてのバリューチェーンで進める。

17年度通期は、売上高は国内外増収を見込み、特に家庭用は『ザ★』シリーズを強化、吉本とのコラボは1月から展開、『おにぎり丸』は昨年の『アンパンマンポテト』に続きマザーズセレクション大賞を受賞し、多くの母親から支持されていることを示したが確実に育成する。海外は上期に10億円減があったため通期の減益は避けられないが、18年度の復活に道筋をつける」。

〈冷食日報2017年12月12日付より〉