日本臨床栄養学会と日本臨床栄養協会は5日、日本水産食品機能科学研究所と共催により、東京・虎ノ門ヒルズで「第16回大連合大会 市民公開講座」を「超高齢社会を健康で自立して過ごすコツ~見直すべき生活習慣~」と題して開催し、約200人の聴衆を集めた。「市民に正確な栄養学の情報を伝えるのも、学会の重要な役割の1つ」(第40回日本臨床栄養学会総会・大荷満生会長)として、日本臨床栄養学会および日本臨床栄養協会の総会に際し、市民を対象に開催された公開講座で、今回は4つの講演が行われた。

第3講演では、日本水産食品機能科学研究所と、白身魚であるスケソウダラのタンパク質の筋肉増加効果について共同研究する愛媛大学大学院の岸田太郎教授が「海の恵みスケソウダラの筋肉増加効果」と題して講演した。

岸田教授の研究は、高齢化社会の中でタンパク質摂取への意識が高まってきている中、魚肉タンパク質に着目し、さまざまな加工品に利用されているスケトウダラタンパク質(APP=Alaska Pollach protein)の効果について行っているもの。ラットによる実験では、APP摂取により白筋(速筋)を特異的に増加する傾向が見られ、また、各筋繊維が肥大することで筋肉を増加させるメカニズムであることが分かっているという。また、岸田教授によれば、APPによる筋肉増加効果は、(運動をしていなくとも)運動後の筋再生作用と同様のメカニズムで起きており、今後、高齢者の寝たきり予防等の素材としても期待されるとした。

なお、これまでの岸田教授および日本水産、立命館大学・藤田聡教授などの共同研究においては、ヒト臨床試験においてもAPPによる筋肉増加効果が示唆されているという。

〈冷食日報 2018年10月10日付より〉