〈冷食流通インタビュー・小売〉 セブン—イレブン、カップチャーハン販売は袋チャーハンの約2倍

セブン-イレブン 「炒め油香るチャーハン」
〈「すみれチャーハン」「蒙古タンメン中本」などの有名店監修商品は好調に推移〉
セブン-イレブン・ジャパンは、「冷食日報」編集部の質問に対して商品担当者が書面で回答した。

――PBの冷凍食品販売が、08年の店当り平均販売額を100として、18年上期は5倍以上に伸びた要因は

男性客中心から、冷凍食品を使い慣れた働く女性や高齢者の方の利用が急増している。客層の変化によりコンビニエンスストアの使われ方も変わっている。中食需要も増加しており冷凍食品の品揃えを刷新したほか売場も拡大した。その後も継続的に原材料や製法を見直したほか、調理の時短にもつながる冷凍野菜などを増やした事も売上に影響している。

――2018年の販売動向は。また、売れ筋の商品はどれか

17年比で約1割増だ。今年売れている特長的な商品は「セブンプレミアム すみれチャーハン」「セブンプレミアム 蒙古タンメン中本汁なし麻辛麺」「セブンプレミアム 手羽中から揚げ」「セブンプレミアム チーズタッカルビ」となる。

――18年の販売施策で注力したことは

美味しさの追求はもちろん、これまでセブン‐イレブンの冷凍食品を購入されたことのない方にも「試してみたい」と思ってもらえるような商品を発売した。例えば、「セブンプレミアム すみれチャーハン」「セブンプレミアム 蒙古タンメン中本 汁なし麻辛麺」「セブンプレミアム 銀座デリー監修ドライカレー」など有名ブランドとの共同開発商品を投入した。

また、おかずとしての品ぞろえが充実していたところに、「セブンプレミアム 手羽中から揚げ」や「セブンプレミアム チーズタッカルビ」など、おつまみとしても食べられるラインアップも拡充している。「セブンプレミアム アップルマンゴー」や「セブンプレミアム ベーコンほうれん草」など冷凍フルーツや冷凍野菜も品ぞろえを増やした。

また、一部店舗での販売だが、昨年11月に店頭の業務用レンジ(1,500ワット)にも対応した商品「セブンプレミアム 炒め油香るチャーハン」と「セブンプレミアム バター香る海老ピラフ」を投入した。これまでなかった店頭温めを実現することで新しい食シーンも提案している。販売は袋チャーハンと比べて、約2倍となっている。

――冷食で有名店監修のメニューに取り組むきっかけは

当社限定で販売している加工食品のカップラーメンが非常に好評で、他の分類でも取り組むことでセブンイレブン全体での相乗効果を高めてたいという背景がある。人気専門店監修の味を全国のセブン‐イレブンで手軽に食べられるため、顧客の中には冷凍食品の「セブンプレミアム すみれチャーハン」と、カップラーメンの「セブンプレミアムゴールド すみれ」を一緒に購入される方も多くいるなど好評だ。

――新たに発売されたカップご飯を取り組むきっかけは

有職女性の増加など、社会環境の変化から手軽に食べられる冷凍食品のニーズは高まり続けている。こうした中で、より幅広い人にもっと手軽で便利に利用して頂けるよう「使い方の拡大」を提案したく開発した。これまでの冷凍米飯は大容量で袋入りの商品が多く、皿に移して温めるという家庭での利用が前提で、主な客層は主婦層だった。コンビニでは即食のニーズも多く、「すぐ」「手軽に」食べることができる「縦型形状のカップ」「1人前の容量」の商品設計にする事で、皿に移し変える手間が省けるため、セブン‐イレブンに来店する様々な客層に対応できると考えている。

――今後の展開は

現時点では具体的に申し上げられないが、顧客ニーズを捉えた商品開発を実施していく。

〈冷食日報 2019年3月1日付〉