「2019ヤグチ春季見本市」に3,500人超が来場、健康メニューで差別化提案

ヤグチは3月9日、東京・池袋のサンシャインシティで「2019ヤグチ春季見本市」を開催した。メーカー等約300社が出展し、得意先卸、ユーザー関係者ら、前年を上回る3,500人超が来場した。メインテーマは不変の「豊かな実りあるマルヤ会~豊かな品揃えと専門力~」。サブテーマは「『食』から変える!健康食品・メニューのご提案」とし、メインテーマコーナーではこのテーマに沿った提案を行った。

食品業界では差別化として、糖質カットや栄養をプラスした商品など食品業界でトレンドとなりつつある。また、外食や中食利用者も少子高齢化や単身世帯の増加など健康寿命を延ばす健身体作りは必要になっている。今回は、外食・中食利用者を▽単身男性▽有職女性▽アクティブシニア――の3つのターゲットに分類し、それぞれに合わせて、メーカー9社がメニューや商品の提案を行った。

同日、記者会見したヤグチの栗栖信也社長は「人生100年時代となり、これから健康志向は大きなキーワードとなる。大手製油メーカーの話では、金額ベースでオリーブオイルがキャノーラ油を上回り、アマニオイル等、身体に良いものが伸びているという。消費者の健康志向の高まりもあり、外食・中食でもますます健康志向のものが求められる。それをサプリではなく、きちんとおいしい食でナチュラルに解決するのが今回のテーマでであり、食の流れ、トレンドを見本市の中で提示したい」などと述べた。

「単身男性」に向けては、外食の頻度が高く脂っこいものを好む傾向にあるため、健康キーワードを「生活習慣病対策」に定めて、メーカー3社がメニューを提案。

ライフフーズは、カリフラワーを米粒大にカットした冷凍品「カリフラ」を使った「カリフラチャーハン」を居酒屋、弁当、産給向けに提案。「カリフラ」と冷凍チャーハンを半々で炒めることで、糖質オフにつながる。

ケンコーマヨネーズは、「やさいと大豆ミートのキーマカレープレート」をレストラン、弁当、産業給食向けに提案。ひき肉の代わりに大豆ミートを使用したチルド品「やさいと大豆ミートのキーマカレー」を使ったプレートメニューで、ボリュームがありながら低カロリーで、野菜もたくさん摂れるのが特長。

マルハニチロは糖質オフのソース焼そばを使った「おいしく糖質off!焼そばパン」をパン店、惣菜・弁当向けに提案。

冷凍品「おいしく糖質off!ソース焼そば1kg」と、他社の冷凍糖質オフパンを組合わせ、糖質オフを実現した。「有職女性」に向けては、美容意識と、仕事と家事の両立が大変というニーズに向けて、「美容・栄養バランス」をキーワードに3社がメニューを提案。ネスレ日本は、液体濃縮タイプのあさりブイヨン「CHEF ジュ・ド・コキーユ」(常温品)を使った「あさりだし香るうどん」を居酒屋、専門店、産給向けに提案。ビタミンB2が豊富に含まれ、美容効果が期待できるという。

カゴメは、冷凍品「農園風イタリアンミックス(ごろごろカット)」と、常温品「ダイストマトソース」を使った「春野菜の彩りラアトゥイユ」を惣菜、ホテル、産給向けに提案。野菜たっぷりで食物繊維が豊富なだけでなく、カラフルな見栄えにもこだわった。

ヱスビー食品は、動物性原材料不使用の「具材充実18種類の野菜カレー」とスーパーフード、キヌアをパフ化した「キヌアさくさくトッピング」(ともに常温品)を使った「サラダボウルカレー」をレストラン、カフェ、産給向けに提案。野菜とキヌアの組み合わせで栄養バランスが良いのが特長。

「アクティブシニア」に向けては、いつまでも元気でいたい、食べる量が減ったというニーズに対し、「健康維持」をキーワードに3社がメニューを提案。

味の素は「ほんだし かつおだし1kg袋」(常温品)を使った「『勝ち飯』豚汁」を老健施設、ホテル、産給向けに提案。具沢山な野菜の健康維持効果と、うま味調味料を使用することで、塩分を大幅にカットできるのがポイント。キユーピーは「オレンジとキヌア入りキャロットラペ」を老健施設、居酒屋、中食向けに提案。国産にんじんをカット済みのチルド商品「キユーピーのサラダ キャロットサラダ」とキヌアと3種の穀類をミックスした「ほしえぬ キヌアミックス」(常温品)を組み合わせ、ベータカロテンとキヌアの栄養が健康維持に役立つ。ヤグチのグループ会社、アスクフーズは冷凍品「VPS サラダチキン」を使った「サラダチキンでカオマンガイ」を老健施設、カフェ、産給向けに提案。たんぱく質豊富で、筋肉増強効果が期待できる。

〈冷食日報 2019年3月12日付〉