ファミリーマートは2019年度の冷食販売の強化策として、売場の拡大に取り組む。新店舗では新たにリーチイン(ガラス扉付き什器)のショーケースを扉3枚から4枚へと増やして冷食を訴求する。

3月19日に都内で開いた「2019年上期商品政策説明会」で説明したもの。30店舗で導入実験をした際には既存店より客単価が伸長した。今年出店予定の店舗では全店でショーケース4枚のパターンを導入し、既存店でも順次売り場を拡大する。佐藤英成商品・物流・品質管理本部長は「まだ2枚扉の店舗も多いため、少なくとも3枚にもっていこうとはしている」と話す。
佐藤英成商品・物流・品質管理本部長

佐藤英成商品・物流・品質管理本部長

〈惣菜系や素材系の冷食商品を拡充〉
商品では、惣菜系冷食の品ぞろえを拡充する。新商品として、2月には「国産豚のとんかつ」(製造元はマルハニチロ)を発売した。3月26日には「肉うま!ビーフガーリックピラフ」(製造元はニチレイフーズ)を投入する。今後の商品として「海老のチリソース」も控えている。また、売り場拡大に伴い素材系の商品も展開を増やす。親会社の伊藤忠商事のフルーツブランド「Dole(ドール)」から新たに「マンゴー」を3月2日に発売し、商品数は4品から5品に増えた。プライベートブランド(PB)の「お母さん食堂」も「スイートコーン」や「ミックスベジタブル」、「肉入りカット野菜」を投入し、2品から5品へと拡充した。果実系や野菜系の商品を強化し買い置き需要の獲得を目指す。
 
将来的には業務用レンジでの調理に対応した商品にも取り組みたい考え。佐藤本部長は「市販の冷凍食品は、業務用レンジと家庭用レンジの両方で調理できる商品は少ない。そうしたところに対応できれば」と意欲を見せた。
 
〈香取慎吾さんのCMなどで「お母さん食堂」のブランド認知が向上〉
PB「お母さん食堂」は、惣菜売り場や品ぞろえの拡充、タレントの香取慎吾さんを起用したTVCMなどで、ブランドの認知度が大きく向上した。時短や簡便性の需要拡大による冷食全体の売り上げ増加も追い風となり、客単価も大きく伸長した。ファミリーマート全体の顧客単価約580円に対し、お母さん食堂購入者は約1,350円となった。冷凍食品を購入した人の場合も1,000円以上となっている。

「お母さん食堂」では香取慎吾さんを起用し、CMやキャンペーンを展開

「お母さん食堂」では香取慎吾さんを起用し、CMやキャンペーンを展開

〈高齢層は囲い込み、若年層は取り込み〉
説明会では2019年の市場環境の予測なども紹介した。人手不足や業態間競争の激化、ICT活用の加速などを見込む。平成の30年間で、高齢化率は平成元年(1989年)の12.1%から16%増え28.1%、単身世帯の割合も20%から7%増え27%となった。食費は約103万円から8.8%減少し約95万円となっている。労働環境もICT の発展で大きく変化した。最近はコストよりも時間効率を求める傾向が強く、同社は中食商品の強化で需要を確保する考えだ。
 
客層では、2018年の利用者で、40~50代は2015年と比べて6%増えた。しかし、20~30代の利用は7%減っている(人口統計上での減少は0.8%程度)。そのため、中食や冷食を強化して、40代以上の来店者には更なる満足感の向上で囲い込みを図る。20~30代は新たな期待感を創出して取り込みたい考えだ。
 
そこで、中食の強化として米飯・惣菜に注力する。中でもチルド弁当は売り場を拡大して収益向上を図る。カウンター売場の強化はコーヒーやフラッペ、フライヤー商品を強化する。商品の供給環境も整備し、発注から納品までのリードタイムを是正する。また、7月には新たにバーコード決済「FamiPay(ファミペイ)」を始動する予定だ。TVCMやSNS も活用し、自社アプリの利用で囲い込みも狙う。

 
〈冷食日報 2019年3月20日付〉