2019年春の家庭用冷凍食品新商品では、「辛さ」「汁なし」をキーワードとした具付き麺を各社が続々と投入し、トレンドを形成する勢いだ。外食を含めた食品市場全体としても近年、唐辛子の「辛さ」や、中国・四川風の香辛料花椒の「シビレ」を売りにした商品・メニューが人気を博しており、市場が盛り上がりそうだ。

日清食品冷凍が昨年6月、セブン-イレブンのプライベートブランド(PB)であるセブンプレミアムから発売した冷食「蒙古タンメン中本 汁なし麻辛麺」は「カップ麺のヒット商品と肩を並べるほど」(多部田雄司社長)と、冷食としては異例のヒットとなったという。同社の冷食「日清中華 汁なし担々麺 大盛り」も4~12月で前年比約50%増となるなど、冷食で「辛さ」「汁なし」をキーワードとした具付き麺が伸びている。

今春の新商品でも、同社は「日清のどん兵衛 汁なし担々うどん」「日清中華 麻婆焼そば 大盛り」を発売するとともに、「日清中華 汁なし担々麺 大盛り」では別添スパイス増量品を投入し、品揃えを強化した。

迎え打つ他社も「辛さ」「汁なし」キーワードの具付き麺を続々と投入。マルハニチロは、刀削麺独特の形状を再現している「新中華街 汁なし担々刀削麺」、日本水産は海老つけ麺で有名な「五ノ神製作所」監修でえびの強い香りを活かした「五ノ神製作所監修 海老担々まぜそば」、テーブルマークはつけ麺・ラーメンの人気店「麺屋武蔵」監修で唐辛子と魚介のインパクトのある辛みと旨みが食べ応えのある太麺に絡む「麺屋武蔵監修 辛まぜそば大盛り」、キンレイは京都発祥の人気店「ラーメン横綱」監修で、期間限定メニューを再現した「お水がいらない ラーメン横綱監修 辛まぜそば」、辛さの方向性は異なるが、東洋水産は金沢カレーの人気店「ゴーゴーカレー」監修による「ゴーゴーカレー監修 カレーまぜそば」という具合に、多くの商品が上市されている。

冷凍の具付き汁なし麺は冷凍パスタ同様、レンジ調理だけで食べられるため、お湯を沸かす必要がなく、簡便性が非常に高い。また、冷凍ならではの具材感・麺の品質は他の食品カテゴリーと比べても、競争力があるものだ。そこに市場トレンドでもある「辛さ」「シビレ」も加え、従来の冷食ユーザーとは異なる若年層・男性層にも浸透しつつある。今年は春から夏の暑い季節に、これらの商品が“面”で並び、辛さで市場を熱く活性化してくれそうだ。

〈食品産業新聞 2019年3月21日号〉