〈和田行博チーフバイヤー・但馬秀信バイヤーに聞く〉
「大総菜プロジェクト」と銘打ち、惣菜の改革に着手して売上や客数を伸ばすサミット。「特別なことはしていない」とチーフバイヤーの和田行博氏は語るが、現場ではこれまでコロッケが1店で1日に約3000個を売り上げていればかなり良いと言われていた。しかし、今では多い日で約7000個を売り上げるなど順調な推移を見せる。和田氏によると、会社全体で自発的に考えて取り組むようになってから大きく変わったという。

――惣菜への取り組みは

和田
:最近では外食企業でも持ち帰りサービスを始めている。冷凍食品も中食の一環と考えられ、消費者の選択肢は増えている。ただ、当社では差別化として、特別なことを行ってはいない。ただ、家庭の味のような商品をしっかりと届けることに力を注いでいる。アイテム数でいえば数年前と比べて絞り込んでいる。元々は商品数がとても多かったが、今は商品それぞれの質を高めることに力を注いでいる。今は消費者のニーズも細かくなってきている。例えばからあげで、小サイズ、中サイズ、大サイズ、特盛のように、商品サイズの幅を増やしている。フェアーの際に限定商品をお祭り的に投入することはあるほか、新商品の投入も行っているが、基本的には商品を入れ替える形となっている。1品1品でしっかりとフェイスを作って訴求したい。

――注力する取り組みは

和田
:当社は「大総菜プロジェクト」に取り組んでいて、全商品の売上構成の中で、総菜の構成比を25%に高めるよう取り組んでいる。しかし、現在目標を達成したのは今年オープンした「鍋屋横丁店」のみだ。今は開発の遅れている半調理品やより簡便性の高い商品などの開発をより加速させたい。

また、最近話題になっているミールキットについては、今のところは手を付けていない。宅配では好調との話は聞くが、スーパーなどで上手くいっているという話は聞かない。ただ、時代の流れもあり簡便需要はより高まると考えている。慎重に検討したい。

――大総菜プロジェクトで変わってきたことは

但馬秀信バイヤー:元々は縦割りの組織で横の連携はほとんどなく、現場でも本部からの指示で商品を並べていた。それを止めるようにしたら、売り上げはここ数年伸長している。自発的に考えて動く組織になったことで、各々が考えて商品の提案を行うようになった。

また、現場で効率的に作業を行えるのは、今まで取り組んできたことが下地にあった。人員の配置方法としてLSP(レイバー・スケジューリング・プログラム)という、必要な時に必要な人員を配置する、という取り組みを行っている。普通ならばある1時間は掃除、ある1時間はレジ、といったように時間で仕事を分けている。これを今必要な作業に人を振り分けることで効率的に動ける。また、部門間を横断して取り組みを行うことも増えた。例えば、当社の惣菜は店舗で実際に売っている肉などを使っている。部門間で話し合い新商品を作ることもある。

――商品のこだわりは

和田
:店舗では作りたて・揚げたての商品にこだわっている。店によっては20時以降に作り立ての惣菜を提供している。これも会社からやれと言ったわけでなく、売場で自発的に行い始めた。コロッケならこれまで1店で1日2000~3000個売れればかなり良かった。しかし、今は7000個を売り上げる店も出てきている。我々はこうした好事例を他の店にも紹介するようにしている。ただ、こうするように、と強要はしていない。

但馬:自ら考えるようになって変わったことで、店の誕生日を行う店もあった。今は個人の取り組みにフォーカスをして各店に紹介している。

ある店の何々さんの取り組み、といった形だ。個人の取り組み事例というところまできた。他の店舗でも取り入れることでまた別の良い取り組みも出てきて、それをまた他で実践する、といったように好循環が生まれてきている。

――今後の課題は

和田:やはり人手不足に悩む店もあり、いろいろと効率化をできるような取り組みは検討している。例えば、これまで店でカットしていた食材をプロセスセンターの活用や、カット済みのモノに切り替えるなどだ。しかし、一番大事なのは味。そこを落として効率化するというのは顧客からの支持を失いかねない。味は大切にしつつ、効率化するところはしっかりと取り組む。

〈冷食日報 2019年7月29日付〉