ニチレイフーズの業務用事業の今上期の概況と下期方針について、松尾哲哉執行役員業務用事業部長に聞いた。

――今期の業務用事業の概況について

今期4~9月期は予算をほぼ達成し、順調に推移している。7月の長雨の影響もあり、週末の外食、レジャー施設などの需要が伸び悩んだが、事業所を中心とした給食業態が牽引、前年やや苦戦が見られた惣菜も徐々に取り戻して、前年をクリアした。

業務用では3月に価格改定(3~7%値上げ)を実施している。物流費の上昇や原材料の高値安定など、自助努力では吸収しきれないコスト環境にあることが要因だが、価格改定は予定通りに進んでいる。単純に価格改定するだけではなく、スペックや規格の変更、メニュー作成や調理負担を軽減する商品提案などを含めて総合的な商談を進めている。

ただ上期を終え、想定以上に物流費が上がってきている。これまでメーカー間の共同配送や拠点集約、輸入品の荷揚げを消費地近くに分散することなど、対策を進めてきたが、更なる施策が必要な状況だ。下期に対策を進めて来期につなげたい。

――主要カテゴリーの状況について

チキン加工品、春巻、ハンバーグ、冷凍野菜――の重点カテゴリーは、目標通りあるいは目標以上に推移している。

チキン加工品は全体として好調だった。外食は一部伸び悩んだものの、惣菜や給食ルートで数字を伸ばした。ただ、チキン加工品は12月が需要期となるので、ここが勝負だ。

春巻は特に伸び率が高かった。惣菜、外食、給食とも安定的に取り扱いいただいているが、今秋の新商品「3種のチーズロール」は想定の2倍の売れ行きになっている。外食のほか惣菜でもおつまみ・スナックとしての販売を提案して好評だ。ボジョレー・ヌーヴォーに合わせて引き合いが非常に強まった。

ハンバーグも全体として堅調だ。惣菜ルートに関しては一昨年に発売した、「シェフズスペシャリテ」シリーズのたいめいけん茂出木浩司シェフ監修ハンバーグが一巡したことで前年対比では苦戦したが、外食向け商品のグレイビーハンバーグで今春、真空パック製品を発売し、給食向けのディッシュハンバーグもリニューアル・規格追加を行うなどの施策を打った。

他方、惣菜向けも今秋、「シェフズスペシャリテ」シリーズに京都割烹余志屋(よしや)監修の豆腐ハンバーグを発売し、盛り返しを図った。ただ、一般的な洋風ハンバーグとは路線が違うので、定着には少し時間がかかるかもしれない。

冷凍野菜も好調だ。枝豆は夏場の天候不順も響いて伸び悩んだが、自然解凍対応の「そのまま使える」シリーズのほか、刻み野菜の「メディベジ」も着実に利用者を広げている。
 
――下期の施策について


当社は幅広い商品を取り扱っているが、中でも主要商品、すなわちお客様に認知され強みのある商品カテゴリーを伸ばしていく。

12月のイベント需要には、惣菜を中心にチキン加工品や春巻などに関しては、計画通り販売を進めるのはもちろんだが、特に惣菜向けハンバーグの遅れを取り戻していくことが課題だ。ハンバーグに関して、当社はまだ4~5番手だろう。また畜肉メーカーも惣菜向け商品の提案に力を入れてきている。このような競合環境はあるが、注力したい。

冷凍野菜については、事業所給食や病院・施設給食の利用が多い分野だが、外食業態の引き合いが増えている。

秋の新商品では外食ルートを想定して、「そのまま使える」シリーズにビーツ、ケール、ロマネスコといったサラダに使える西洋野菜を発売した。もっと深堀りしていきたい。

――ラグビーW杯の販売への影響について

2カ月以上の期間、多くの訪日客が滞在したわけだから、間違いなく伸びているところはあると思うが、当社にとっての恩恵があったかというと、見えていない。

はっきりとした分析もできていないが、来年は東京オリンピック・パラリンピックがあり、旅行客が大勢、東京にやってくる。選手村だけでなく、ホテルの朝食など、冷凍食品が食材として貢献できるところは間違いなくあるだろう。

〈冷食日報 2019年12月6日付〉