スープストックトーキョーが展開する冷凍スープが順調に推移している。ギフト需要に加えて、「巣ごもり消費」の広がりも販売を押し上げた。同社は店舗数を過剰に拡大しない戦略をとっており、店舗のないエリアでは百貨店やスーパーに冷凍商品を提案して着実に支持を得ている。藤橋俊之物販事業部長に話を聞いた。
スープストックトーキョー物販事業部・藤橋俊之部長

スープストックトーキョー物販事業部・藤橋俊之部長

――冷凍スープの販売状況は
 
徐々に支持を広げ、伸長率は毎年30~40%増で推移している。最近は「巣ごもり消費」の影響もあり、ネット通販だけでなくスーパーなど卸先からの注文も増えた。特に2月末の学校の一斉休校の発表時には通販の方で大きく伸長した。ギフトとしての販売も順調に推移している。
 
――人気商品や購買層は
 
「オマール海老のビスク」や「東京ボルシチ」、「とうもろこしとさつま芋のスープ」などで、これらは店舗でも支持されている商品だ。店舗は20~30歳前後の利用が多い。一方の冷凍スープは30~50歳代など幅広く利用されている。食事の準備ができないぐらい忙しい時でも、冷凍スープで満足感を得られる食卓になるのは大きなメリットだと思う。
 
――販売の開始時期は
 
冷凍スープは、2004年に自社通販と電話注文で販売をスタートし、2009年から店頭販売も行っている。季節性のある商品も提案しており、夏場は冷製スープの販売が順調だ。また、カレーもこだわって開発している。当社は年に1日、カレーだけを店舗で販売するイベント「カレーストックトーキョー」を行っており、人気を集めている。
 
――冷凍スープを始めるきっかけは
 
食卓にスープのある生活を実現させたい、という思いから、店舗のない地域でも販売できるよう冷凍スープは提案を広げている。スープストックトーキョーの店舗数は全国に60店舗前後を展開している。ドミナント出店も行っていないため、店舗のないエリアは多い。出店していないエリアでは百貨店や高級スーパー、通販などで当社の冷凍スープを提案し、喫食できる場面を広げている。また、地方からの旅行や出張された方が店舗で喫食し、戻られた後に自宅近くの販売店や通販で購入する、という話もあった。
 
――ギフト販売の動向は
 
ちょっとした贈り物に加えて、母の日や出産祝いなどのギフトとしても支持は高い。発売当初は一度店舗で食べた人に家でも楽しんでもらうことを想定していた。ギフトカタログなどで販売したところ、想定以上の支持を集めた。ファンの方が、「ここのスープ美味しかったよ」と友達に勧めてくださるなどして広がったと思う。今では出産祝いのためのギフトセットなども扱っている。店舗はブランドにとって重要だと思う。商品力だけでなく、ブランドを良いと思ってもらえるからこそ、着実に販売を広げられたのでは。
 
――今後の取り組みは
 
自社通販のサービスの充実とともに、高級スーパーなどの外販で売上を伸ばしていき、今後も新規の卸先を増やしていく。香港など海外向けにも販売を始めており、シンガーポールや台湾などにも提案を進める。
 
〈冷食日報2020年3月26日付〉