新型コロナウイルス感染症拡大の影響から、食品の“買いだめ"的な購買行動が増えており、スーパー等で加工食品の販売金額が増加している一方で、平均価格も上昇傾向にある。需給バランスのみならず、多くの小売りチェーンで3月末ごろからチラシ広告特売を自粛しており、その影響も出ていると見られる。

KSP-POS(調査対象:全国のスーパー、生協1,030店舗)のデータによれば、加工食品合計の3月の平均価格は、前年同期比3.4%増と上昇傾向にある。また、冷凍食品合計の平均価格も2.9%上昇していた。 

加工食品合計の平均価格前年同期比を週次で見ると、2020年第7週(2月17日週)は1.4%高に留まっていたが、第8週(2月24日週)が4.9%高、第9週(3月2日週)が3.3%高、第10週(3月9日週)が2.5%高、第11週(3月16日週)が2.5%高、第12週(3月23日週)が5.3%高、第13週(3月30日週)が5.1%高と推移している。 

本紙でも既報の通り、新型コロナウイルス感染症拡大の影響から、加工食品の販売金額が伸長する一方、現時点で供給には大きな問題がないものの、店頭在庫が品薄になる状況が続いている。そうした中で、過度な買いだめ防止、または混雑防止などの観点から、チラシ特売を一部休止する小売チェーンが増加していることも、特に第12週以降の平均化価格に影響を与えているものと見られる。

〈冷食価格も上昇、販売方法に影響与える影響も〉
冷凍食品合計の週次平均価格前年同期比は、第7週が2.6%高だったところ、第8週4.3%高、第9週2.2%高、第10週3.1%高、第11週2.5%高、第12週4.2%高、第13週4.9%高と、加工食品合計に比べるとゆるやかだが、同様の傾向が見られた。 

ただ、冷食カテゴリー別に第13週の平均価格を見ると調理冷食5.8%高、冷凍麺4.7%高、冷凍米飯0.9%高、冷凍農産3.3%高、冷凍ピザ・グラタン7.8%高と、冷凍米飯では価格上昇幅が小さい。前年同期にはなかった昨秋発売のマルハニチロ「WILDish」シリーズや、今春発売のテーブルマークの300g米飯等、従来市場にあまりなかった容量の少ない1食完結型商品が増えていることも影響していると見られる。 

また、冷凍食品の場合、近年は多くのチェーンでEDLP化が進む一方で、現在も半額等一律割引を実施しているチェーンもあり、埼玉県地盤のあるチェーンでは、現在も全品半額のチラシ特売を継続している。今後、新型コロナウイルス感染症の影響が続くようであれば、小売りチェーンの販売方法にも影響が出てきそうだ。

〈冷食日報2020年4月15日付〉