ノースイ 2019年度冷食事業は375億円、農産が前年比11.3%増、冷凍農産品取扱量は7万トン超え

ノースイの2019年度(2020年3月期)の冷凍食品事業は売上高が375億円で前年比4.0%増となった。そのうち農産事業は243億円で11.3%増と大幅に伸長。冷凍農産品の取扱数量は7万3,400トンで9%増加した。一方、加工食品事業は132億円で前年比7.1%減。商品の統廃合による商品アイテムの整理が影響した。成長を続けてきた冷食事業だが、2020年度は新型コロナウイルスが終息してない状況から、計画は現段階では未定としている。

農産事業の取り扱い品目別の実績は、フレンチポテト(成型含む)が8.5%増、フルーツが6.0%増と両戦略カテゴリーが引き続き好調な伸びを見せた。そのほか取り扱い上位品目では枝豆が17.2%増と大幅に増加。凍菜三品(コーン、グリーンピース、ニンジン)が6.4%増、ほうれん草が43.1%増、と好調な結果を残した。

カット済み凍菜ブランド「ミリ・ベジ」についても品目数の増加もあり、前年比2倍強の販売数となった。

当年度の設備投資としては、ノースイ食品に第二工場を増設し、2019年9月からリパックラインが稼働した。これにより合計4ライン体制となっている。びえいフーズの新工場も建設。2020年春から稼働している。また来春、新たな合弁による冷凍野菜・果実の新工場が熊本に竣工予定だ。

加工食品では海外エビフライ生産をベトナム・タイカシーフード社に集約した。新型コロナウイルス感染症の拡大の影響について、観光業をはじめ外食産業向け販売の減少やインバウンド需要の減少が減収要因となる見通しだ。輸入数量の調整と滞留在庫の早急な販売を進めるとともに、感染拡大の第二波、第三波への備えとして働き方改革に取り組んでいるという。

2020年度は農産事業においては付加価値を求めた「ミリ・ベジ」シリーズ以外に「プチ・べジ」、「オニオンズ」「きのこ倶楽部」の拡販を目指す。産地リスクに備えた新産地の開発、チャイナフリーの新工場体制の強化が引き続き課題となる。市販・CVS 商品の拡大、シリーズ商品の開発・拡販にも注力する。先行きが不透明な外食など業務用市場に対しては変化に迅速対応した政策を推進する。

加工食品事業においてはマーケットインの開発推進、水産、農産、畜産の各原料を事業部横断的に使用した付加価値商品開発に取り組む方針だ。引き続き不採算アイテムの見直し、規格統合も進める。

〈冷食日報2020年5月25日〉