アイエフエー、4社で65億円強の売上目指す、独自開発のタイ産「チキンカツレツ60」発売も

関東圏の業務用食品卸4社(大京食品、ウルノ商事、コーゲツ、野口食品)で構成する(株)アイエフエー(旧(株)国際食品流通同友会・IFA。窪田洋司社長=大京食品会長)は2020年度総会の5月開催を見合わせた。そこで菅波孝人専務に6月3日、取扱い売上高など実績や今後の方向性について東京・神田の本社事務所で取材した。説明の概要は次の通り。

IFAの取扱い売上高は前年比1.1%増の81億4,498万円となった。IFAの会員だった関東食品が1月末に退会したが、帳合変更が難しかったメーカーは2月3月も若干の売上になっている。

したがって関東食品を抜いた売上高としては69億3,278万円となる。今期の目標はコロナ禍の影響を受けて対前年比19%減の65億2,700万円を目指す。すでに4月~6月は学校給食以外も大変で、見通しは厳しいが4社の力を合わせて頑張るしかない。

2020年度のスローガンは「心機一転 新たな挑戦」。創立時の社名「(株)国際食品流通同友会」を4月1日より「(株)アイエフエー」に変更して4社で出直した。大京食品、ウルノ商事、コーゲツ、野口食品の各社長と、8人の事業推進委員を中心に一致団結して再スタートする。

今年度の最初に取り組むPB商品は7月1日発売の「チキンカツレツ60」。これはタイの生産メーカーと取組み、パン粉比率が12%の独自に開発した商品で、加熱済みで自然解凍でも食べられる。業務用としては焼いても食べる商品として打ち出していく。

コロナ禍によりコンビニ弁当が増えている一方、最大手の容器回収弁当業者では、コロナ禍による在宅勤務や食堂閉鎖等により食数が5分の1まで減ったところもある。流通業界では今後、大企業と中小企業が新たなパイを取り合うために相互に参入していかざるを得ない。

こうした市場経済の大変化に柔軟に対応していくためには、「市場の見直し」「ユーザーの見直し」「商品の見直し」という3つを見直していく必要がある。市場自体が未曽有の大打撃を受けたため、今年は市場回復への求心力の変革が問われてくると思う。

なお、今年度に向けての課題としては、コロナ対策とは別に、
〈1〉何(商品)を何処(市場・ユーザー)に売っていくのか
〈2〉どうすれば利益を確保することができるのか(売上より利益を重視)
〈3〉競合他社に負けない卸として存続するためには何をしなければならないのか
〈4〉メーカーに必要とされる卸になるためにどうあるべきか(外食系の卸とも真っ向から対決するなど)
〈5〉どこの国の商品にこだわりを持って開発・拡大していくのか
――などが課題となる。

IFA設立時には、5社を水面下で支えることを使命に、目標は5社の売上の10%、当時、40億円を目指した。一方で、2018年度にはその2倍の80億円に達することができ、25期には100億円達成を目指したがコロナ禍の影響や、4社体制になったことから少し遠ざかった。

しかし目標の旗は降ろしていない。以前掲げた「5社の塔」から「4社の塔」になったことに寂しさはあるが、「心機一転 新たな挑戦」をスローガンに、社名も「(株)アイエフエー」として再スタートを切った。新たな1社を加えることは現段階では考えていない。今後は「新生アイエフエー」として4社を縁の下で支えていくこととなる。

〈冷食日報2020年6月9日付〉