テーブルマーク 素材麺の訴求強化で「つくりたい」ニーズに対応、「簡単に食べたい」ニーズには一食完結型

テーブルマーク「丹念仕込み本場さぬきうどん3食」「ミニパックさぬきうどん6食」「ビーフガーリックライス300g」
テーブルマークは7月21日、2020年秋季新商品発表会をオンライン会見で実施した。家庭用ではコロナ禍に伴い家庭内での料理が増えていることから、冷凍うどんをはじめとする素材麺の訴求を強める。

安定供給を優先し、素材麺の新商品は発売しないが、旗艦商品の「丹念仕込み本場さぬきうどん3食」「ミニパックさぬきうどん6食」はパッケージをリニューアルし、商品特性を分かりやすく伝える。他方、簡単に食事を済ませたいニーズも強まっていることから、一食完結型商材にも注力。食べきりサイズのIQF米飯シリーズを拡充した。食卓向けが課題となる、おかず類では「国産若鳥の塩から揚げ280g」をよりジューシーに改良した。

亀山明記専務執行役員は「5月後半から家庭用(の特需)は売場が落ち着きを戻しているが、確実に冷凍食品やパックごはんの高品質、利便性・簡便性、汎用性の高さを多数の方に知っていただけたと実感している。今後もコロナの状況は不透明だが、生活様式が急速に変化し、消費者ニーズも大きく変化すると思う。家庭で食事をする機会がますます増加するかもしれない。冷凍麺やパックごはんなど当社の強みのある、長年ご愛顧いただいている商品群を中心に展開していきたい」と話した。

当季の商品戦略について喜田直孝執行役員戦略本部長は「冷凍食品、パックご飯を初めて使った、あるいはその良さを再認識した、という新規のライトユーザーが増えていることから、改めてわかりやすい価値の訴求、対応に重点を置く」とした。

主力品群は安定供給を第一に考え、新商品の投入は見送る。「特に麺は居酒屋など外食での鍋シーンが減り、家庭内での鍋需要が高まることを想定し、しっかりと供給体制を整えることを優先する」。 他方、IQF米飯、おかず品群は需要の広がりに対応し「テーブルマークの強みを持った新商品・リニューアル品を投入によって、市場活性化に寄与したい」とした。

具体的な当季商品展開について、近添敏和執行役員商品統括部長は3つの方向性を示した。

1つはコロナ禍に伴い、見直された「つくりたい」というニーズに対し、こだわりをわかりやすく訴求すること。冷凍うどんの需要が高まっていることから、おいしさへのこだわり、さまざまなニーズに応えられる品ぞろえを訴求する。

「丹念仕込み本場さぬきうどん3食」は主力商品の「さぬきうどん」とロゴを統一した。「本場」をうたえる唯一の商品として、本当においしいさぬきうどんを提案する。「ミニパックさぬきうどん6食」は1食100gと通常の半分の量であることを伝わりやすいデザインに変える。

「さぬきうどん5食」「同3食」も秋冬向けデザインに変え、時短レシピを側面に掲載する。消費者キャンペーンも展開して、おいしさや使いやすさ、利用シーンを連想させる取り組みを推進する。

2点目は「簡単に食べたい」ニーズに対して「つくる」「食べる」の手間の軽減を訴求すること。一食完結型としてIQF米飯では食べきりサイズの300gシリーズに新商品「ビーフガーリックライス300g」を追加。シリーズの調理方法も皿に乗せずにそのままレンジに入れるだけにした。「お皿がいらないジャージャー麺」などトレー付き具付き麺の販売も安定供給に努め注力していく。

3点目は新たに購入するようになった客に使い勝手の良さを訴求すること。夏休みの短縮に伴うお弁当ニーズも想定されるが、食卓における日常のおかずへの利用を訴求する。

「国産若鳥の塩から揚げ280g」はよりジューシーな味わいにリニューアルする。10月から30g増量キャンペーンを実施予定だ。

業務用の新商品の発表はなかった。喜田執行役員は「市場が混とんとしているとしている中で、秋季にまとめて提案するよりも、個包装商品や惣菜向けのおかずなど、期中発売も含めて検討している」と述べた。

〈冷食日報2020年7月22日付〉