家庭用の粉もんをメインに扱うかねます食品(東大阪市、高山文廣社長)。この秋は新たに「旨いもん」シリーズを投入し、大手との真っ向勝負に挑む。今期の進捗やコロナ禍の影響、新シリーズへの思いを同社の幡井覚専務に聞いた。
かねます食品・幡井専務

かねます食品・幡井専務

 
――今期(21年3月期)の進捗は
 
今期は新型コロナウイルスの感染拡大による内食需要の増加で、8月までの累計で30%増となっている。当社はほぼすべての商品が家庭用冷凍食品なので、業務用の影響は少なかった。
 
コロナの影響が広がって以降の月別の売り上げを見ると、3月が前期比で30%前後の伸び、4~5月で10~20%増、6月は微増、7月以降は例年通りとなっており、状況は落ち着いてきている。8月については猛暑の影響もあり、わざわざ温めて食べる冷凍食品は伸び悩んだと考えている。
 
ほとんどの商品を中国の協力工場で生産しており、日本の倉庫には0.8カ月分程度の在庫を常に保管している。生産量は20%程度増えたが、発注して中国から商品が届くまで1カ月程度かかるので、在庫のある商品を販売しつつ、順次補給していく形で、供給はぎりぎり対応できた。在庫は6月から7月にかけてちょうど良い数に落ち着いた。
 
9月以降は前年並みを見込んでおり、通期で売上高、利益共に7%増を見込んでいる。ただし、為替の変動により原価が大きく左右されるので、今は安定しているが首相の交代など読めない部分もあるので、どうなるか予測が難しい。
 
――秋の新商品について
 
この秋は新たに「旨いもん」シリーズ3品を発売する。これまで、特売で178円~198円の中価格帯「鉄板屋」シリーズ、128円~158円程度の低価格帯「ええもん」シリーズを発売し、両シリーズとも好調に推移してきた。
 
そこで、かねます食品の集大成として、他の大手と同じ228円~278円の価格帯で勝負する。ラインアップは「たこ焼 18個入」「山芋のたこ焼 18個入」、「ミックスお好み焼300g」の3品だ。
 
これまで、お好み焼はトレイを付けず、価格で勝負してきたが、今回はソースとトレイを付けた。粉もん専門のメーカーである当社が今できるもっともおいしいお好み焼であると自信をもって発売する。
 
「鉄板屋」シリーズのお好み焼は山芋が生地のベースで野菜を多く使用していることが特徴だが、「旨いもん」のお好み焼はしっかりと小麦粉感を出した王道の商品に仕立てている。
 
「山芋のたこ焼」は他社にはない山芋の生地を使用したたこ焼だ。ふんわりとした食感が特徴で差別化を図る。他社と真っ向勝負するとはいえ、例えば特売で大手の商品が248円で売られるとき、「旨いもん」は228円で出せるよう、販促の時の値段設定でメリットを出せるようにしている。
 
粉もんの市場は、大手数社で確立されている。この「旨いもん」によって、少しでもシェアを取り、存在感を示したい。近年、弁当用の商材が苦戦していたが、コロナの影響でさらに落ち込んだ。一方で、スナック類は広がっている。「旨いもん」シリーズを出すことで、粉もんカテゴリー全体を盛り上げていきたい。
 
〈冷食日報2020年9月16日付〉