味の素冷凍食品の国内統括事業部製品戦略部製品マネジメント第2グループ長の源田達章氏は、「冷凍食品の製品開発」をテーマに10月9日開催の「冷食JAPAN」で講演を行った。冷凍食品は加工度が高いため、製造の難易度も高い。開発において、製品イメージの前にコンセプトを構築し、作る上での課題やその対策を考えることの重要性などを紹介した。

製品開発においては、ビジョンに基づいて目標を達成するため、製品戦略上「製品を開発する必要がある」という前提で「製品開発」は行われている。製品戦略は目標達成の具体的な方法で、目標は事業ビジョンを数値化したものと説明する。

開発においてはミッションと連動させた理想像や、ビジョンを数値化したターゲット、目標を達成するための戦略が必要になる。源田氏は「なぜ製品開発が必要なのか、理解できていないと製品開発は行えない」と話す。

冷凍食品の特徴は、他の商品よりも加工度の高い商品が多いことと紹介した。同社の製品で、うま味調味料や風味調味料、粉末スープと比較すると、冷凍食品は使用原料が多く、製造工程も複雑になるなど、製造の難易度は高くなる。また、製品開発においてコンセプトの前に製品イメージを作ってしまい、コンセプトの構築が不十分なこともあるという。

「例えば、餃子はそこまでイメージからずれない。しかし、物のイメージが浮かびやすくなり、どのようなものが本当に必要か、理屈のところがぼやける」(源田氏)。

製品開発のプロセスは、「戦略仮説検証」、「製品コンセプト開発」、「製品化」、「市場参入」に分けられる。開発において重要になるのは、製品設計のイメージを含めた「製品コンセプトの開発」と課題の抽出や対策を考案した上での「製品の具現化」になると説明する。

製品コンセプトは、「ターゲット」や「オケージョン(機会)」「ウォンツ(需要)」、「ベネフィット(利益)」の4点が伝わり、製品を理解やイメージできるものになるという。

ここから競合とは異なる位置に自社製品があるか、ポジショニングを明確する必要がある。軸は主要購買要因などで表す。

その後、製品の設計を詰めるという。設計の要素は、味や風味など品質、規格、包装形態、価格に分けられる。そこから製造に向けて、原料から包装、物流を含めた課題の抽出を行う。製品を作れる理想的な状況を作るために足りていないことを徹底的に列挙し、理想へ近づける必要があると説明する。

原料や配合、工程など、どれだけ明確に課題を抽出できるかが重要になるという。課題を掘り下げて本質的な課題を捉えられれば、対策も講じられるため、製品を作る上での理想の状況に近づけられると紹介する。

最後に源田氏は「今回の話で整理できた。改めて生活者の問題を解決し、価値ある冷食ならではの製品開発のアイデアを考え続けたい。業界全体が、提供者に価値を提供し、よりよい世の中になればと思う」と語った。

〈冷食日報2020年10月14日付〉