〈買掛照合AIは2019年に導入、今後他業務への展開も検討〉
三菱食品と富士通は、売掛照合業務を効率化するAI(売掛照合AI)を共同で開発し、11月16日より、パイロット運用を開始することを、10月30日に発表した。

三菱食品ではこれまで、売掛照合業務に手作業で月1,000時間以上かかっていたが、今回の売掛照合AIの活用で、数百時間を削減することができる見込みだという。

なお、両社はすでに2019年2月から同様の技術を用いた買掛照合AIを開発して業務の効率化を進めており、月に2,000時間以上かかっていた照合手作業時間のうち、数百時間の削減を達成しているという。

売掛照合業務とは、自社請求電子データと得意先支払電子データを照合する業務を指す。両データを伝票番号などの一意な情報で結び付けられない場合があり、これまで、三菱食品では財務経理業務職員が月に1,000時間以上かけて手作業で照合を行っていた。

両社は、こうした照合手作業を効率化するために、600万件に及ぶ取引データを分析し、現場の意見を取り入れながら検証と改善を2020年3月から繰り返した。その結果、財務経理業務職員の暗黙知を抽出し、過去の照合実績データを学習することで、照合結果を提示する売掛照合AIの開発に成功したという。

売掛照合AIを財務経理業務職員が活用することで、月に1,000時間以上かけていた手作業の照合時間のうち数百時間を削減することができる見込みであるほか、経験の浅い財務経理業務職員でも、照合誤りなどの人的ミスの削減が可能となる。

今後は、2021年4月に売掛照合AIの本稼働を計画。また、両社では買掛照合業務・売掛照合業務と並行して、資金収支業務・入金チェック業務へのAI活用に取り組んでおり、今後、未収消込業務への展開も検討中だという。先端テクノロジーを幅広く取り入れることで、財務経理基幹業務のさらなる効率化・品質向上を目指す。

〈冷食日報2020年11月2日付〉