テーブルマークの冷凍パン事業は今期、新型コロナウイルス感染拡大の影響が響いている。

外食産業、特に焼成冷凍パンの最大の販売チャネルであるホテル・宿泊施設、宴会場が、国内旅行者の減少やインバウンド需要の消滅により大きなダメージを受けた。一方、コロナ対策として安全安心を求めるニーズが高まり、給食業態を中心に個包装商品の販売が伸びている。また家庭用市場にも動きが見られ、今後展開を強める構えだ。

同社冷凍パン事業は前期(2019年1~12月期)、業務用NBの販売が1桁半ばの伸びと好調に推移した。宿泊観光需要の高まりに伴い販売を伸ばしたが、今期は環境が一変した。主力の小型パンはホテルビュッフェに多く採用されていたことから、影響が大きい。

今期の冷凍パン事業の売上高は1~9月累計で前年比8割程度に落ち込んだ。ただ10月は政府のGoTo政策の影響もあり、宿泊施設や外食産業の回復が見られ、前年水準に近いところまで回復しているという。

ウィズコロナに求められるものとして、個包装商品の販売が拡大し、ホテルなどの落ち込みを一定程度カバーしている。学校給食や病院・高齢者福祉施設で需要が高まり、個包装商品は3~4割売上げを伸ばしている。

デザート・ベーカリーカテゴリーマネジャーの井上大輔氏は「リモート営業でユーザーのニーズを探るのは難しい面があったが、卸を通じて日々移り変わる市場の情報からニーズを汲み上げてきめ細やかに提案していった」と話す。

個包装商品はこれまで、バターロールとクロワッサン、食パン、コッペパンを展開していたが、需要拡大に対応して新たに「ミニメロンパン」「ミニ食パン(デニッシュ)」「ミニクロワッサン」の個包装商品を期中発売した。

家庭用ではベーカリースイーツ商品の展開に手ごたえを感じている。大手CVSのPB商品として、また関東エリアの一部店舗でテスト販売しているホットビスケットの販売が好調だ。

ティータイムや休日の昼食にカフェの気分を味わえる“家(うち)カフェ”をコンセプトに、本格的な品質で、食べたいときに電子レンジの簡単調理で食べられる。消費者からの評価も高く、今後SKUを拡充し、販路も広げていく方針だ。

井上氏は「コロナによる外食から中食・内食へというオケージョンシフトは家庭用に新たな商機を生んでいる。家庭用市場の可能性が見えてきたので、当社のマーケティングプランに基づいて市場形成を実現していきたい」としている。ブランド育成も見据えて今後、高級スーパーや高級立地店舗にも導入を図っていく考えだ。

〈冷食日報2020年12月17日付〉