Uber Eats Japanや、出前館、楽天らフードデリバリーサービスを提供する13社は3月3日、「一般社団法人日本フードデリバリーサービス協会(JaFDA)」を新たに設立したと発表した。急伸するフードデリバリーサービス業界における様々な課題の解決を事業会社全体で取り組むことでサービス水準の確保と信頼性の向上を図る。

フードデリバリーの市場は海外と比べて発展途上であるものの、新型コロナウイルスの影響で拡大している。外食市場規模の26兆円のうち、約1兆円を占めるとの推計もあるという。

3月3日に開かれた記者会見で、日本フードデリバリーサービス協会の末松広行代表理事(元農林水産省事務次官)は「(デリバリーは)海外では日常的なスタイルだが、日本では今後浸透するスタイル。日常に根付くには、業界全体で安心安全な環境整備が重要だと思う」と語った。フードデリバリーはコロナ禍に浸透しつつあり、今後も業界は発展するとの期待が高まっている。一方、急激な業界の成長で必要な諸整備が追い付かず、配送時のトラブルなどの課題が顕在化している。

団体の設立で、「配達における交通ルールの順守」や「配達のサービス品質の向上及び商品の安全・衛生管理」、「配達員やパートナーとの適切な関係性の構築」などに取り組む。衛生管理に関する自主ルールなどの策定や、配達員への教育や研修コンテンツの充実も図る。

「配達における交通ルールの順守」は、配送時の危険運転や事故などのトラブルや、配達員の交通ルール違反などに取り組み、配達などでの交通ルール違反やトラブル件数の削減を目指す。交通ルールの順守や啓発に向けたコンテンツの整備などを検討する。都道府県の警察ら関係機関との連携や関連施策への協力なども取り組み、業界の信頼性の向上に努める。

配送時のトラブルなどへの対応として、基本的な指針や保証の在り方、トラブル防止に向けた配達員の教育なども検討し、トラブルなどを業界全体で削減し、サービス水準の向上を図る。加えて、配達員との雇用や契約形態に応じた労働環境の整備も進める。

配達員の担い手は「ギグワーカー」と呼ばれる労働者も少なくない。多様な働き方がある中で、各形態におけるセーフティーネットと企業支援の在り方や、保障などを検討し、自身のライフスタイルに合わせた勤務環境の整備も目指す。関連団体との連携や政府への施策提言なども行う。

会見では、野上浩太郎農林水産大臣が「フードデリバリーサービスをより安心安全に利用できる環境を整備し提供することを目的として設立されることは大変意義があると考えている。(業界ルールの作成など)農林水産省としても応援していきたい」とコメントした。

〈冷食日報2021年3月4日付〉