国分グループ本社は3月3日の会見で、2021年から5年間を対象とした第11次長計を発表し、「アフターコロナ」の社会変化を見込んだ今後の方針を示した。

國分晃社長兼COOは、「共創圏の確立、これまでにない新たな構想を掲げた」とし、「10次長計までに我々が備えた、フルライン、フルファンクション、地域密着全国卸の機能は、共創圏というビジョンを持つことでより大きく可能性を広げることができると考えている」と説明した。

國分社長は2020年を「第10次長期経営計画の最終年度、総仕上げの1年だった。中期予算で掲げた売上高2兆円、経常利益180億円の達成、11次長計につなぐ重要な年として挑んだ1年だった」と振り返る。しかし、「2020年2月末以降、新型コロナウイルス感染症が急速に拡大し、世界的なパンデミックに陥り、緊急事態宣言発令による自粛生活など、今までに経験したことのない事態が次々と発生する1年となった。新型コロナウイルスは、食品業界においても、外食産業を中心に深刻な影響を与えた」と、厳しい環境下で11次長計の策定を行ったと説明した。

新長計は、「『食のマーケティングカンパニー』の進化〜共創圏の確立〜」をビジョンに、価値創造目標、12の戦略の柱、14の戦略領域などを定め、新たな組織体制で実現を目指す。
14の戦略領域

14の戦略領域

 
「共創圏」とは、「川上から川下までのバリューチェーン全域で、国分が仕入先・販売先のみでなく、生産者、物流会社などの事業者、行政、生活者の皆様と従来の取引・取り組みの枠を超えて連携することで、新たな食の価値・事業創造を目指すネットワーク」と定義づけた。
 
このビジョンの下で実現を目指す価値創造目標は、
〈1〉顧客満足度No.1
〈2〉コト売り比率経常利益30〜50%
〈3〉共創圏規模第3階層売上+1兆円、第4階層までの企業数+100件
〈4〉従業員の「仕事における幸福度」の向上
――の4つを挙げる。
 
〈1〉では、10次長計で開始したCSアンケートを継続し、顧客満足度の向上に生かしていく。
 
〈2〉は、従来の物売りに加え、物流事業やシステム外販事業、マーケティング事業等のコト売り事業を拡大、発展させることで、モノ+コトの事業の2輪化を確立させる。
 
〈3〉の共創圏にかかわる目標に関しては、共創圏を4階層に分類していると説明。第1階層はグループ本社、エリアカンパニー、カテゴリーカンパニー、第2階層をそれ以外の連結子会社、持ち分法適用会社とし、第3階層、第4階層は出資の有無や出資比率、取組内容を勘案して都度取り決めるとした。この第1〜3階層までの売上を長計でプラス1兆円、取組でプラス100件を目指す。
 
〈4〉では、従業員の幸福度の向上を、会社全体、社会へと幸せな状態を広げる循環を作っていく。これら、4つの価値創造目標の達成を目指す12の戦略と、14の戦略領域を定めた。
 
〈「常温と低温の融合」テーマに組織体制を変更〉
低温事業は、14の戦略領域うち、戦略カテゴリーの1つに数えられる。2021年は「常温と低温の融合」をテーマに、これまで国分フードクリエイトに集約して行ってきた低温事業推進・機能構築が進み、一定の規模に達したことを受けて組織変更を行う。
 
2021年1月、国分フードクリエイトのマーケティング機能を国分グループ本社のマーケティング・商品統括部に統合。4月には、国分ロジスティクスと日本デリカ運輸を統合する。さらに7月、国分フードクリエイト東北、関信越、中部、西日本を各エリアカンパニーに統合する。
 
國分社長は「各エリアで常温・低温の機能をフル活用し、業界内リーダーシップを発揮することで、ビジネスモデル、独自性、価値の確立と、共創圏の構築拡大というテーマにスピード感をもって取り組む」など話した。
 
〈冷食日報2021年3月8日付〉