昭和冷凍食品は2021年春の新商品として、市販用の品ぞろえを充実させた。業務用を主体として事業展開してきた同社だが、新型コロナウイルスの影響でホテルや外食の需要が低迷する中、自社製造の主力分野であるプチケーキ、丸たこ焼、冷凍パン生地を市販用に提案する。

プチケーキは冷食売場に品揃えの少なかったスイーツ系スナック、たこ焼も有名店監修の商品として差別化を図った。冷凍パン生地は冷食売場では全く新しい挑戦となるが、巣ごもりを契機に家庭でパン作りを始める人も多いとして、ストックしておけば解凍してすぐに焼ける手軽さを訴求していく。

昭和冷凍食品の平塚雅樹取締役営業部長は「コロナ環境が続くと考え、市販用のラインアップを増やした。これまでなかった市販用ルートを確立していきたい」との考えだ。

業務用で実績のあるプチケーキは2020年春から、家庭用市場への挑戦を始めていた。2020年春に発売した「ふんわりケーキ屋さん(カスタード/ショコラ)」は巣ごもり需要の追い風もあり、導入を伸ばした。

市販用へのプチケーキの展開は、コロナ禍以前からの計画だった。「スイーツ系スナックは今川焼が中心で、そのほかは大学芋、一部パンケーキをおいている店舗があるくらい」。自社でラインアップとして持っている強みがあると判断した。

2021年春の新商品は「ひとくちホットケーキ」としてプレーン・メープル・チーズの3品をそろえた。「ふんわりケーキ屋さん」は12個入りだが、新商品は10個入りとなる。

「プレーン」とメープルソース入りの「メープル」は業務用の売れ筋商品をそのまま家庭用にパッケージした。北海道産の小麦を使用したひとくちサイズのふんわりとした食感が特徴。「チーズ」は新たに開発したチーズ風味のしっとりとした口どけの良い生地が特徴だ。

プチケーキで実績があることから「ひとくちホットケーキ」は順調に配荷が進みそうだ。
昭和冷凍食品「ひとくちホットケーキ(メープル)」

昭和冷凍食品「ひとくちホットケーキ(メープル)」

 
市販用に丸たこ焼き「SHOWAぼてぢゅうたこ焼」を投入する。冷凍たこ焼きで有名店監修商品は他にない(なお築地銀だこの冷凍たこ焼きは店舗運営するホットランドの商品)。だしやとろみなど、ぼてぢゅうの店舗の味を忠実に再現した。
 
「外食の味を家庭で楽しむニーズが高まっており、そうした売場のイベントにも引き合いがある」という。
 
冷凍パン生地は冷食売場での新たな挑戦だ。焼成済み冷凍パンは複数のメーカーが発売し、店頭でも目にする機会が増えている。同社は生地から焼き上げたときのおいしさで差別化を図る考えだ。
 
新商品は「おてがるブレッド(プレーン/チョコ)」。独自技術による多加水の生地で、焼き上がりはやわらかくもちもちの食感に仕上がる。解凍後の発酵工程が要らない商品設計にして、手軽さにも配慮している。
 
「2020年に業務用で発売した製品だが、ターゲットとしていたホテルや外食、喫茶では商談できる状況ではなくなったところ、老健施設で採用され、焼成済み冷凍パンの自然解凍やリベイクとは違う、おいしさを認知いただいた。生協への提案でも関心を持ってもらえた」という。
 
新商品は6個入り規格にして提案する。なお既存の業務用の12個入り商品は終売となり、市販用・業務用の共通商品となる。
 
発酵が不要なほか、自然解凍だけでなく、レンジ解凍(600Wで表裏40秒ずつ)ができるのも特長だ。焼成には200度のオーブンで約15分かかるが、食べたいときにレンジ解凍すれば、すぐに調理することができる。

昭和冷凍食品「おてがるブレッド(プレーン)」

昭和冷凍食品「おてがるブレッド(プレーン)」

 
業務用には「SOY ミートドーナツ 中華」「SOY ミートドーナツ イタリアン」の冷凍パン生地2品を発売する。インストアベーカリーや行楽地、喫茶店、CVSカウンターフードなどをターゲットにする。
 
大豆ミートは昭和産業の原料を使用し、フィリングから成型まで新潟の自社工場で製造している。
 
〈冷食日報2021年3月11日付〉