ロイヤルHD 冷食「ロイヤルデリ」販売推進、ロイヤルホスト・てんやなどで/担当部長インタビュー

ロイヤルデリ「焼きピロシキと冬野菜のボルシチセット」
外食店の時短営業が続く中、家の中で外食気分を味わいたいというニーズは高まっている。ロイヤルホールディングスが展開するフローズンミール「ロイヤルデリ」も、この需要に後押しされ、販売は順調に推移しているという。ロイヤルデリ担当部長の庵原リサ氏に聞いた。

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ロイヤルホールディングス ロイヤルデリ担当部長・庵原リサ氏

ロイヤルホールディングス ロイヤルデリ担当部長・庵原リサ氏

――冷凍品販売が活発になっています。どのような要因だと見ていますか。
 
主観ですが、今まで冷凍食品を買ったことのない人の購入や、ストックできるという利便性といった点に魅力を感じた人が増え、コロナ禍に間口は広がったのではないでしょうか。
 
私たちのお客様に話を聞くと、これまでは冷凍野菜やお弁当用の惣菜としての購入でしたが、最近は昼食だけでなく夕食でも利用されていました。おそらく、外食を減らす中で家の中での食事をポジティブにしたいと考えるようになり、取り寄せを多く利用されるようになったと思います。他のレストランで冷凍品の販売が増えたのも、こうした背景から進んだと感じます。今まで冷凍食品を購入されていた人の多くは、時短などの「経済的」なメリットから購入されていたのではないでしょうか。最近は経済的メリット以外での利用も増え、私たちの様々な生活シーンにも広がってきているのではないでしょうか。
 
――改めて、リブランディングの背景は。
 
多くの方にインタビューをする中で、時短ニーズだけでなく家で美味しいものを食べたいという需要の高まりを感じました。そこで、セントラルキッチンにはかなり頑張ってもらい、2020年10月に20品目以上の新商品を投入し、世界各国の料理として展開できるようにしました。これだけの品目を拡充できたのは、シェフたちが視察などで現地まで行き教わった料理や専門店のレシピなどの蓄積があったからです。また、長年続けてきたセントラルキッチン方式により、冷凍技術が高い水準にあったことも取り組みを進められた要因でした。
 
――ロイヤルデリの販売状況は。
 
2019年12月の本格展開から順調に伸長しており、リブランディングを実施した昨年10月以降も伸び続けています。中でもセット商品は好調で、新たに喫食される方も増えています。購入された方に聞くと、自分では作れない、普段とは異なる味を求めて買い求められていました。メニューを拡充したため、選択肢が広すぎて迷われる方も少なくありません。
 
そのため、セットメニューに力を入れています。今年発売のカレーやシチューなどをセットにした「#おうち時間応援セット」は順調です。2月には「焼きピロシキと冬野菜のボルシチセット」も投入しました。こうした食卓の楽しみ方を意識したセットを今後も投入できればと思います。
 
――現在注力している取り組みは。
 
グループ内の店頭での販売を進めています。「ロイヤルホスト」や「ロイヤルガーデンカフェ」などでも展開を進めていますが、最近では「てんや」でも昨年12月から実験的に9店舗でテスト販売を開始しました。グループ内でも「ロイヤルデリ」を知ってもらうきっかけになりました。冷凍商品は長期間ストックできるためリスクが少なく、既存インフラを活用でき、オペレーション面にもそこまで大きな変化はありませんでした。
 
――今後の取り組みは。
 
市場は大きく変化してきているので、そこにどう寄り添えるかが重要だと感じます。商品は、セット商品などニーズに合わせた商品を愚直に追求できればと思います。季節性のあるメニューなどの投入で、選べる楽しさも追求していきたいです。
 
ECはレストランと違って顔の見えない販売チャネルです。外食は、利用された方がどのような料理を残したか、どのような表情で食事をされていたか、「会話」ができていました。冷凍食品はそこが見えにくいのですが、レストランで培ってきた味や品質などの軸を変えずに、まずはグループ内の販路拡大やECの使い勝手を高めて足場を固めていきたいです。
 
〈冷食日報2021年3月12日付〉