伸長を続けるコンビニの冷凍食品。大手3社では、スーパーとは異なる商品を多く投入し、店舗でも売り場を拡大するなど着実に成長を続けている。中でも冷凍スイーツは需要が伸びているジャンルの1つだ。

新型コロナウイルスの感染拡大で、冷凍食品は順調な推移を続けている。コンビニも同様で、セブンイレブンではコロナ禍以前の2019年から30%近く伸長したという。テレワークなどの影響で、家庭で過ごす時間が増えたため、伸長傾向が続いているようだ。また、コロナ禍ではニーズの変化が激しいものの、そこに対応できたことも売上を伸ばした一因と考えられる。

各社の取り組みを見ると、セブンイレブンは高まる家飲み需要に応えるため、酒類売場の拡大と品ぞろえの拡充に取り組んだ。その中で冷凍食品は、酒類との関連購入につながるようおつまみ商品の提案を強化している。その結果、トレー容器をそのままお皿として食べることができる「おかづまみ」シリーズは順調に推移しているようだ。

ファミリーマートは、コロナの環境はいずれ終わると想定し、新たな提案として冷凍スイーツとパンを投入した。1つの皿に複数の料理を乗せたワンプレート商品の試行錯誤も続ける。ローソンは、「鮮馬刺し赤身スライス」や「真鯛お刺身」など、コンビニの冷凍食品としては珍しい商品を発売した。価格は、「鮮馬刺し赤身スライス」が税込798円で、冷凍食品としては高価だ。商品本部の林洋一郎氏は「コロナ以前ならば価格的に難しい商品だが、販売からそれほど経っていないものの想像以上の動きだ」と話す。

好調だった商品を3社に聞くと、スナック類やデザートを挙げている。これも家庭で過ごす時間が増えたことと、好きな時に食べられるという冷凍食品の強みが活きた形となった。

セブンイレブンは、「クラッシックショコラ」「冷たく食べるメロンパン」などが順調に推移したという。

ファミリーマートでは、「とろけて美味しいフォンダンショコラ」が好調だった。生活デイリー部の栗原栄員氏は「チルドデザートやアイスクリームでは表現が難しい美味しさをコンセプトにし、レンジで温める手間を加えてもらうことで、とろけるチョコレートの味わいを楽しんで頂ける。冷凍庫から出してすぐに食べられる商品」と話す。すぐに食べられる商品にしなかった理由については「アイスクリームと同じ価値になってしまうため、出す意味が薄れてしまう。また、チルドでもスイーツを展開しているため、冷凍だからこその価値を提供したいと考え、こうした特徴にした」という。

ローソンは、冷凍庫から出してすぐに食べられる「アップルパイ」などを発売し、一時は売り場から商品が無くなってしまうほどの勢いを見せた。商品のコンセプトについて、林氏は「冷凍のデザートはコロナ禍以前から考えていた。コロナの拡大でニーズが変化したため、冷凍庫から出してすぐでも食べられる、という商品にした」と語る。

先の見えない市場環境が続く中で、各社とも様々な試行錯誤を続けている。今後について、セブンイレブンは「いかに差別化された商品の開発が出来るか」(担当者)を重要な施策に挙げる。

ファミリーマートは「『ファミリーマートの冷凍食品とは』という確固たるものがまだできていないと思う。反面、売上は伸び続けているため、ここから何物にも成れるポテンシャルを持っているとも考えられる」(栗原氏)と言い、「外部環境の変化にも動じない幹を作ることが必要」と述べる。栗原氏は「コンビニの冷凍食品とは何かを考え、価値をより高めて、どれを買っても外れなしと言われるほどの商品を提供したい」と語った。

ローソンは「売場の定着や優先度の高い商品の拡大を進める。SDGs関連の施策も冷凍食品で取り組みたいと思う」と話す。また、「トレーの紙容器化やプラスチックの削減などを、2~3年かけて進めていく。定番の麺類や米飯、価格訴求品と共に、監修メニューも増やしていく」という。

〈冷食日報2022年2月25日付〉