スタイルブレッド(群馬県桐生市)が提案する冷凍パンブランド「Pan&(パンド)」。CMなどの効果もあり、着実に支持を広げているという。2021年の秋頃からリブランディングを実施し、新たな形での提案を進めている。

「パンド」は2018年3月に誕生したブランドだ。この名前には、「出来立ての料理と温かいパン。淹れたてのコーヒーと焼きたてのパン。パンと一緒に楽しむものすべてを届けたい」という思いが込められている。

国産小麦100%使用や独自の酵母の使用などにこだわると共に、最も美味しい状態と言われている焼き立てのパンを急速冷凍することで、通常では味わえない鮮度の高いパンを家庭でも楽しめる。

食べる際には冷凍庫から取りだしたパンを、900W のトースターで2~3分焼き、余熱で6~8分間保温してから食べると、焼き立ての味わいになるという。常温のパンよりも手間はかかるものの、それでも美味しいもの食べたいという人から高い支持を得ている。

まず、リブランディング以前の「パンド」はどのようなブランドだったのか。マーケティングチームのキャプテン、諫武美智子さんに聞くと「当初は20~30代を想定した提案をしていました」と話す。以前のロゴマークを見ると、ポップなデザインになっており、親しみやすさを打ち出していた。

2020年の新型コロナウイルスの感染拡大により家庭で過ごす時間が増え、「パンド」の売上も伸長した。同年10月からは更なる販売拡大を目指し、取扱店舗の拡大を目指してさまざまなスーパーへのアプローチを強めた。販売店は大きく広がったという。21年4月には初のテレビCMを東京や神奈川、埼玉など1都6県で2週間ほどの期間に大量にCMを放映した。

その結果、導入店舗は20年比で3~4倍になったという。当時について、諫武さんは「CMを放映するなら導入したいというお店もありました」と振り返る。トライアル利用も進んだようだ。

順調に推移している「パンド」だが、CMの放映によって課題も見えてきた。利用者が急増したものの、「冷凍パン」として訴求しても記憶に残るような引きがなかったという。諫武さんは「CMは冷凍パンをいうことだけを強く押し出し目立たせたため、パンドのこだわりなどを伝えきれませんでした」と語る。加えて、これまでは比較的若年層を対象としてきたが、実際の利用者を調べると40~50代が多かったようだ。

そこで、ブランドの方向性を転換することにした。ターゲットはコアユーザーの40~50代に再設定し、時間や心にゆとりをつくり、何気ない1日を少し豊かにできる商品として提案することにした。ホームページや配布物で使用シーンを想起させるようなアピールも行っている。ロゴマークはポップなモノから、上質感のあるものに変えた。デザインは「自宅でパンを焼く」という丁寧な暮らし方をイメージしたという。美味しさを伝えるべく、原料や製法へのこだわりもより記載している。

諫武さんは「市販されているパンよりも高い商品なので、価格に見合った商品であることと、使っていて嬉しくなるような商品になればと思っています」と話す。

2022年に入り、冷凍パンの需要は一層高まっている。「パンド」でもブランドの方向性を変えたことで徐々に想定していた人に商品が伝わっているという実感が生まれつつあるようだ。特に、定期便の利用者は純増の傾向が続いているようだ。「ただ一時だけ売れればよいのではなく、もっと気に留めてもらえるような戦略を立てたいです」(諫武さん)と話す。

今後の意気込みを、諫武さんは「定期便はもっと利用していただけるようアピールしたいです。ホームページ上で写真などを通じて商品の魅力を伝えて、今後は取り扱いたいと思ってくれる店舗も増やせればと思います」と語った。

〈冷食日報2022年5月10日付〉