全国卸売酒販組合中央会の江國清志専務理事に、業界を取り巻く当面の課題について聞いた。物流費の上昇、また公正取引や酒税増減税などの制度改正、あるいは消費の減少や酒類の社会的管理の要請などの環境変化に、生販三層が一丸で対処するべきだと訴えた。

--最近の酒類の流通市場の動向について、どのような問題認識を持っているか。

江國 昨今の物流費の上昇は、例えば、ベテランのドライバーが退職するなかで、労働人口全体の縮小によって新規採用が困難になっているなどの構造的な原因に由来する部分のほか、官民一体で推進されている働き方改革による見直しも影響しています。

この課題は、消費者の皆様へ持続的に酒類を安定供給していくためのサプライチェーンの確保だけでなく、空容器の回収を維持する等、循環型社会の構築などにも関係する重要なものです。

厳しい経営環境のなかにあって、経費のなかで大きなウェイトを占める物流費については、これまでも各卸売業者としては、例えば、アウトソーシングの活用や配送方法の改善等を行って効率化を図ったり、更に、共同物流を進めるなど、可能な限りのコスト削減に努めてきました。これからは、業界横断的に、生販三層がそれぞれ知恵を出しながら、例えば、流通合理化のための容器の在り方や空容器回収の条件改善など、幅広い課題について、一丸となって取り組んでいくことが必要であると考えます。

また、酒類の国内市場環境が、人口減少社会の到来や高齢化の進展等によって販売数量が減少傾向になる等の厳しい状況にあるなかで、酒の魅力をもっと発信していき、価値あるものを適切な価格で販売していくこと、「量から質への転換」を図っていくことが必要であります。しかし、そのなかで、中間流通を担う卸売が発揮する本来的な機能が評価されずに推移してきている。酒類の円滑な流通を維持していくためには、メーカー、卸売、小売の生販三層がそれぞれの発揮した多様な機能に見合った適正な評価(利益)が確保されることが重要です。相互理解を進めていき、着実な進展を図っていく必要があります(続きは本紙で)