〈各社、独自の原料・製法・技術を追求〉
本格焼酎は2007年をピークに出荷数量が落ち込んできている。もちろん各社懸命に新規ユーザーを獲得する取り組みを進めており、最近では芋焼酎の炭酸割りという新しい飲み方が流行するなど、明るいきざしもある。数年前からは、独自の新しい原料、製法、技術を用いた“ニュータイプ芋焼酎”とでも呼ぶべき商品が続々と誕生しており、市場でも好調に受け入れられているようだ。

〈「磨き蒸留」「黒潮酵母」「香熟芋」「デリシャス・ペンタゴン製法」などで新しい味わいを実現〉
本坊酒造は2010年2月、前年に特許を取得した新蒸留技術「磨き蒸留」を採用した「あらわざ桜島」を発売した。フルーティーでクリアな味わいが特徴で「特許製法により、他とは一線を画した商品」(同社)と強調。16~18年まで平均2桁増で伸長してきた。

雲海酒造の「木挽BLUE」は15年4月から宮崎県内で先行発売し、好評だったため16年9月に九州全域へ、17年3月には全国販売に踏み切った。宮崎県日向灘から採取した独自酵母「日向灘黒潮酵母」を使用することで、すっきりキレのある甘味を実現。これまで芋焼酎に接していない人を含めた幅広い層をターゲットにした商品で、2年目となる東京と大阪での販売は前年比2倍と絶好調だ。

今年登場した新商品として、ナンバーワンブランド「黒霧島」が発売20周年を迎えた霧島酒造は9月、「黒霧島EX」を投入した。新製法「デリシャス・ペンタゴン製法」により、「あまみ・うまみ・まるみ」と、「トロッと・キリッと」という5つの味わいを最大限に引き出したという。

濱田酒造は9月に、独自の熟成技術を用いた「香熟芋(こうじゅくいも)」で仕込んだ本格芋焼酎「だいやめ~DAIYAME~」を発売。ライチのような香りが広がり、炭酸で割るとキレの良い爽快感のある喉ごしを感じることができる。

白金酒造の「いったいさん」は、通常1対5の米麹と掛け芋の比率を1対3にしている。「米が焼酎の旨みやコクの決め手になる。単純に芋を減らせばいいのではと考えた」(同社)。10月には米麹の使用米に山田錦を用いた「プレミアムいったいさん山田錦」を3000本限定で新発売した。

宝酒造は6月に、芋100%の全量芋焼酎「一刻者」シリーズから「一刻者〈白〉」を新発売。芋焼酎専用の品種として開発された「ジョイホワイト」を全量使用。華やかな香りが特徴で「炭酸割との相性も非常にいい」(同社)。

〈食品産業新聞 2018年11月16日付より〉