日本盛は5月28日、“氷でキンキンに冷やして飲む日本酒”、「かちわり生原酒 720ml瓶」を発売した。アルコール度数20%、希望小売価格788円(税別)。

暑い夏に向け、「ロックで飲んでも薄まらずに美味しく愉しめる商品」として開発した。生原酒ならではのみずみずしさと、フルーティーでコクと旨み豊かな芳醇な味わい、そして、アルコール度数20%としっかりとした味わいのため、ロックで飲んでも満足感を得られるという。「品質管理が難しく、冷蔵保管・早期飲み切りが一般的な生原酒を、独自技術により常温で流通可能にしたことで、鮮度あふれる日本酒の豊かな香りをいつでも手軽に楽しめることを実現した」(日本盛)。
「“生原酒”とは」(日本盛)

「“生原酒”とは」(日本盛)

〈阪神甲子園球場では専用サーバーで「かちわり生原酒」を提供〉
今回の「かちわり生原酒 720ml瓶」発売に先行し、日本盛は4月30日から兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で、「かちわり生原酒」(税込550円)を専用サーバーで提供開始。「適度にアルコールが下がることで口当たりがまろやかになり飲みやすく、販売開始から大変良い評判をいただいている」(日本盛)という。
 
同社は2017年に、甲子園球場で業界初となる蔵元直送の「しぼりたて生原酒」を専用サーバーで提供する取り組みを開始した。初年度は話題性もあり、販売数量は1万Lに迫ったが、2018年は夏場の猛暑や台風などの影響もあり、5,000Lにとどまっていた。2019年は「かちわり生原酒」の導入により、前年比で売上倍増となる1万Lを目指す。

阪神甲子園球場で提供している「日本盛 かちわり生原酒」

阪神甲子園球場で提供している「日本盛 かちわり生原酒」

従来の「しぼりたて生原酒」は発売当初から「ガツンとくる生原酒がおいしい」、「おいしくて飲み過ぎる」と好評だった反面、「量は飲めない」、「夏場はすぐにぬるくなる」などの声があり、それらのニーズに応える形で「かちわり生原酒」を企画したという。
 
同球場で開催した会見で、日本盛の曽我浩常務は、「調査の結果、夏場に日本酒をロックで飲んでいる人が意外に多く、日本酒をロックで飲みたいという飲用意向も強かった」と述べた。「かちわり生原酒」の発売にあたり同社が行った消費者調査では、日本酒ロックの飲用実態は夏場で35.3%、冬場でも12.3%と、通年で一定の需要があり、飲用意向は「とても飲みたい」「飲みたい」の合計で約50%に達したという。

3月に実施した消費者調査の結果(日本盛)

3月に実施した消費者調査の結果(日本盛)

〈マイナスイメージを払拭、日本酒ロックの需要喚起へ〉
一方、日本酒をロックで飲んだ経験のない人にその理由を質問すると、「氷を入れてはいけないと思ったから」「氷を入れるという発想がなかった」「薄くなりそう」「おいしくなさそう」といった回答が多かった。日本盛商品開発室の高野将彰課長補佐は、「マイナスイメージを払拭することで需要喚起が可能」と述べた。
 
なお、球場で販売している「かちわり生原酒」に使用するかちわりは、1つずつ包装し、プラスチックカップに入れて提供している。「空気をほとんど含まない純粋な氷のため溶けにくい。長い時間、生原酒を楽しめる」(曽我常務)。
 
同社は「かちわり生原酒」について、直営販売施設の「酒蔵通り煉瓦館」(兵庫県西宮市)や、駅構内に常設している「日本盛阪急西宮北口店」でも提案し、夏の風物詩としての定着を目指し、日本酒業界の課題である夏場の飲用喚起と、日本酒ロック飲用の潜在需要の喚起につなげていく意向だ。

「日本盛 かちわり生原酒 720ml瓶」

「日本盛 かちわり生原酒 720ml瓶」

〈酒類飲料日報 2019年5月30日付、一部改稿〉