キリンビールは2月27日、2020年のRTD事業方針を発表した。 発表によれば、2019年の同社のRTDカテゴリーの出荷数量は6,370万ケース(前年比6.3%増、250ml×24本換算)となった。特に「氷結」(約4,040万ケース・4%増)、「キリン・ザ・ストロング」(約930万ケース・24%増)、「本搾り」(約1,200万ケース・11%増)が伸長を牽引した。

今後ビール類の税制が段階的に変わる中、RTDは2026年まで現在の酒税額が維持されるため今後も市場は拡大すると予想され、同社は2026年には2019年比で1.4倍にまで成長すると予測している。

キリンビールの取組としては、全社的に行っている「主力ブランドへの集中投資」と「CSV経営の深化」をRTDカテゴリーの商品でも実行。また「徹底したお客様理解」「広告~店頭まで一貫したブランディング」を行うことで10年先も愛され続けるブランドを創り、強いブランドポートフォリオを構築する。2020年の目標はカテゴリー計で前年比9.9%増の約7,000万ケースとしている。

今年で20年目を迎える「氷結」は「おいしい、たのしい、あたらしい」「チューハイといえば氷結」をキーワードに掲げる。2020年の目標は約4,350万ケース(7.7%増)。2月には10年前の商品の味わいを再現した「氷結 復刻版シチリア産レモン」「氷結ストロング 復刻版グレープフルーツ」を発売し「10年の進化」を感じられる飲み比べ提案を実施。

2~3月には「王道vs新商品」という軸で通年品のフレーバーの追加やリニューアルを実施。4月には昨年も行った「レモンvsグレープフルーツ」の企画を今年も実施。企画に合わせて「氷結ビターレモン」と「氷結ストロングスウィートグレープフルーツ」を発売する予定としている。

また「ゼロ系・オフ系」ニーズにも応えるべく商品ラインアップも拡充するほか、「いいね!日本の果実。氷結」では地域の特産果実で作った氷結を通じ、その土地の魅力を全国に伝える取組を継続する。加えて、東北や熊本といった地震の被災地や、西日本豪雨の被災地へも商品を通じて支援を続ける。

「キリン・ザ・ストロング」は4月に大幅リニューアルを実施。「うまさにこだわった麒麟特製ストロング」をコンセプトととし、好評な味覚をさらにブラッシュアップする。
「氷結 復刻版シチリア産レモン」

「氷結 復刻版シチリア産レモン」

中味には複数の果実を12時間以上煮詰め、うまみを凝縮させた麒麟特製「うまみエキス」を採用。同社マーケティング部商品開発研究所の池田聡氏は「アルコール9%でありながら嫌なアルコール感がない。しっかりしたうまみがあり、味わいが調和している。 そんな、これまでのチューハイにない“上質なうまさ"を実現するのは困難な道のりだった。原料選定や組み合わせまで一から見直し、試行錯誤の末に辿り着いたのが、麒麟特製“うまみエキス"(特許出願中)。従来のチューハイは果実をそのまま搾って作るが、“うまみエキス"は、複数の果実を長時間、丹念に煮込むという型破りな方法によって、これまでにないうまみを作り出した。“今までにないおいしさのストロングをつくるなら、今まででにないつくり方を"と考え、酒類・飲料づくりのプロフェッショナルが集まったキリンだからこそ生まれた新たな製法」と「うまみエキス」の特徴を解説。
 
パッケージはうまさを期待させる品質感あるデザインとし、ゴールドのエンブレムの中に「聖獣麒麟」「麒麟特製」「フレーバー名」を大きく配した象徴的なデザインに一新する。
 
今回のリニューアルの背景について同社は「消費税増税や酒税改正により節約志向が高まることで、ストロングRTD市場は今後もさらに拡大することが予想される。市場拡大に伴ってお客様ニーズは多様化しており、当社調査によるとストロングRTDに期待することについて“うまさ(後味の良さ、味のバランス)"や、“品質感(品質が良さそう、信頼できる)"が未充足ニーズになっていることが分かった」としている。
 
また、同時に累計販売数量が発売から4億本(250ml換算)を突破したことも発表した。目標は約1,200万ケース(29.0%増)。 8年連続で2ケタ増となった「本搾り」は各商品のパッケージリニューアルを行うほか、「ライム」を5月19日に通年商品として発売する。目標は約1,250万ケース(4.2%増)
 
〈酒類飲料日報2020年2月28日付〉