国が酒類などの表示における「地域名」の適切な使用を促すことで、当該地域ブランドの確立を図る「地理的表示(GI)」の指定が広がっている。2020年に入ってからは、3月に「GIはりま」が、6月には「GI三重」が新たに指定されるなど、地域の日本酒のブランド化が各地で進んでいる。

「GIはりま」からはこのほど、第1弾の認定商品として、兵庫・播磨地域の15蔵52銘柄が出揃った。11月には第2弾を予定している。
GIはりま認定商品のロゴ

GIはりま認定商品のロゴ

 
認定酒の特色について姫路酒造組合理事長の田中康博氏(田中酒造場代表)は、「何といっても原料米に独自性がある。米と米こうじは兵庫県で収穫した山田錦のみを使用し、その山田錦は『主要農作物種子生産条例・兵庫県条例第31号に基づく審査を受けたもの』でなければならない。
 
原種の種子から作られた山田錦という単一の原料米が指定されていることで、酒質の方向性がある程度決まってくる」と説明。その上で、「日本海側からの湿った風で中国山地に雨が降り、多くの河川が形成され、穀倉地帯はりまが生まれる。その地域性が豊かに表現された、ここでしかできない酒になる」と、「はりま」の“テロワール”に自信を見せる。
 
播磨地域では、「播磨は日本酒のふるさと」をスローガンに、同地域の4酒造組合が連携して酒文化を広める「はりま酒文化ツーリズム」の活動に取り組んでいる。加古川酒造組合の井口雅嗣氏(キング醸造副社長)は、「一つの蔵だけでは難しいブランドづくりも、地域が一体になれば地域ブランドとして全体で育てられる。原料米の種類が限られているためすぐには参加できない蔵もあるが、参加蔵は今後増えていくだろう。市場として可能性のある海外に向けても、『GIはりま』を冠して輸出できることは強み」と期待を寄せる。
 
明石酒造組合の平石幹郎氏(江井ヶ島酒造社長)は、「コロナ状況下、機会を捉えてPRしていかなくてはならない。GIはりま認定商品は、兵庫県産山田錦を使用した比較的高価格帯の商品が並んでいる。山田錦は酒造好適米として知名度が上がっているが、兵庫県の播磨地区が中心的産地ということは意外と知られていない。『はりまの山田錦』の宣伝にもなればと期待している」と述べた。
 
社酒造組合の長谷川妙子氏(神結酒造専務)は、「播磨の酒は一般的にはまだ知られていない。国内での認知向上とともに、GI認定による品質保証と安心感をもって、海外にも胸を張って届けたい」と意気込みを語った。
 
〈食品産業新聞 2020年8月27日付より〉