ラトックシステム(大阪市・近藤正和社長)は10月末から、食品生産現場の温度管理から帳票作成までを支援する食品業界向けIoTシステム「HACCP対応温度管理システム ハサレポ」の提供を開始する。

同社は2017年6月、デバイス設計とクラウド連携によるIoT開発の強みを生かして、酒造工程の品質監視を支援するモニタリングシステム「もろみ日誌」を発売した。以来、人手不足に悩む酒造現場の負担低減、技術承継、品質均一化に貢献してきた。

〈酒造向け技術を「ハサレポ」に活用〉
HACCP義務化の決定を機に、醸造食品をはじめとする食品分野から自動温度記録・監視・帳票作成についての相談が増加したことを受けて、食品向けの「ハサレポ」を開発した。食品の原料や加工品の保管場所である冷蔵庫や倉庫の温度を監視・記録し、衛生管理や製品劣化防止に役立つシステムだ。「もろみ日誌」で培った技術と経験が活かされた。

「ハサレポ」システムの温度センサーには、保管温度を計測するためのサーミスタ2本と、室温・湿度を計測するセンサーを搭載している。冷蔵庫や倉庫といった食品保管場所で計測されたデータは無線でクラウドに保管され、かつPCやスマホでいつでもどこでも確認できる。

計測データのグラフと点検項目を印刷すれば、帳票作成もスムーズだ。また、設定温度の範囲を一定時間継続して超えた場合にはPCやスマホに警告を通知する機能も備えており、無人環境下でも、冷蔵庫の開放や故障などによる温度異常に迅速に対応することができる。

導入にあたりネットワーク設定や工事は不要で、温度センサーとゲートウェイさえあれば、電源を入れるだけでクラウドとの接続が可能だ。必要台数を購入し、アプリは年額7万円(更新料・クラウド利用料・通信費込み)で利用できるため、無理なく導入できそうだ。電池駆動(電池寿命約1年)で防水設計の温度センサーなど、充実の機能を搭載した同システムだが、「ニーズに対応して今後も機能アップデートを行う」(同社)としている。