キリンビール「氷結」好調、コロナ禍による家飲み増加が缶チューハイ需要を後押し

「キリン 氷結 無糖 レモン Alc.4%」
キリンビールのRTDの快進撃が続いている。

※RTD=Ready To Drink、チューハイ・サワー等のふたを開けてすぐ飲める低アルコール飲料。 

同社が展開するRTDブランドは、発売20周年を迎えた「氷結」や、高果汁系で圧倒的な支持を誇る「本搾り」、昨年のリニューアル以降好調が続く「麒麟特製サワー」など。RTDマネージャー・鈴木郁真氏によると、RTD市場は新型コロナウイルスの流行前から拡大していたが、コロナ禍による家飲みの増加も手伝い、「ビール類を飲んでいる消費者がRTDも一緒に飲むことが多くなり、更に伸長している」という。

〈関連記事〉キリン「一番搾り糖質ゼロ」約半年で300万ケース突破、過去10年のビール新商品で最速

キリンビールのRTDで最もボリュームが大きい「氷結」ブランドの2020年の出荷数量は過去最高の4,088万ケース(250ml×24本換算)を記録。「氷結」ブランドマネージャーの北島苑氏によると、昨今はビール類と併せてRTDを飲む消費者が多く、RTDには「“甘くない”が“果実感を楽しめる”という、相反したようにも思える価値が求められている」という。

キリンビールRTDカテゴリー戦略担当 北島苑 氏

キリンビールRTDカテゴリー戦略担当 北島苑 氏

 
キリンビールでは2020年秋、2021年春と続けて「氷結」「氷結ストロング」通年商品のリニューアルを実施。“氷結”の商品名の由来にもなった“氷点凍結”による、果実のみずみずしさを閉じ込めたスッキリ飲みやすいおいしさに磨きをかけ、さらに勢いの加速を図っている。
 
昨秋発売の「氷結 無糖レモン」は、無糖で甘味料不使用。甘くない味わいのため、食事シーンにも合わせやすい。2020年は販売目標数量を2度上方修正するなど好調に推移し、。2021年に入ってもその流れは続いている。
 
“氷結無糖”の現在のフレーバーはレモンのみ。アルコール度数は7%と4%の2つ。ラインアップの拡充については顧客からのリクエストも受けており、キリンビール社内でも検討はしているが、当面はこの1フレーバー2商品の体制で、「しっかりと現状のラインアップを強化していく」方針だ。

「キリン 氷結 無糖 レモン Alc.7%」

「キリン 氷結 無糖 レモン Alc.7%」

 
「氷結」発売から20年が経ち、氷結ブランドの総出荷本数150億本を突破。北島氏は「それだけお客様に愛されて来たということだ。改めて“氷結”がおいしいお酒であるという魅力をお伝えすべく、更なる取り組みを進めていきたい」とした。