キリンビールは10月5日から「発酵レモンサワー 濃いレモン」(500ml、350ml/オープン価格、アルコール分5%)を発売した。

同ブランドの特徴と言えばやはり「発酵レモン果汁」を使用しているということに尽きる。発酵により深い味わいやまろやかさ、華やかさや香りなどの新たな香気成分が55種類増加し、飲みやすく飲み飽きない美味しさに仕上がった。また、既存の「発酵レモンサワー」同様に香料、酸味料、甘味料は無添加でナチュラルな味わいを実現した。

発売前に試飲したのだが、「同社缶チューハイの中で最も多い、レモン果汁量12%」としながらも、レモン特有のとげとげしい酸味は感じられず適度にまろやかで、それでいて既存の「発酵レモンサワー」をさらに上回ってくるような圧倒的なレモン感が魅力だ。

今回はキリンビールで同商品の開発・マーケティングを担当したブランドマネージャーの山﨑勝弘氏にインタビューを行い、「濃いレモン」の特徴や開発秘話を聞いた。
キリンビール ブランドマネージャー 山﨑氏

キリンビール ブランドマネージャー 山﨑氏

 
〈「発酵レモンサワー」で「最も美味しいレモンサワー」に近づく〉
まず、発売から6カ月が経過した既存の「発酵レモンサワー」の近況を聞いてみたところ「販売状況はすこぶる好調で、初動出荷数量に関しては当社が過去10年に発売した缶チューハイの中では最も多いものとなった。なによりもお客様から“発酵レモン果汁”を使用したことによる、人工感を排したナチュラルな味わいを評価していただいたことが実績につながっている。さらに、ここ最近は缶チューハイでもレモンサワー専門ブランドが数多く発売されているが、その中でも“最もおいしいレモンサワー”に近づいたのではないかと考えている」と大きな手ごたえを実感しているようだ。
 
低アルながらもあえて「ライト」「飲みやすい」を使用せず〉
このたび発売となった「濃いレモン」について聞いてみた。「実はことし3月の“発酵レモンサワー”発売時には“濃いレモン”の発売は計画していなかったものの、我々の予想を大きく上回る反響があった。多くの方に注目を頂けたのは非常に良かったが、その一方で“アルコール度数が少し高い”と感じるお客様もいたのも事実。目線を広げて市場全体を見ても、缶チューハイのレモンサワーのアルコール分は7%であることが多く、市場の動きに対して置いてきぼりになってしまったお客様も少なくなかった。そこで“発酵レモンサワー”ブランドにより気軽に手を伸ばしてもらうために、アルコール度数5%の“濃いレモン”を開発・発売する運びとなった」と理由を明かした。
 
商品名を「濃いレモン」とした理由について聞いたところ「まずは既存商品よりも果汁分が多いことから“濃い”というワードを入れた」と予想通りの回答。ただし、少し深い理由もあるようで「酒類業界ではアルコール分が低いと“ライト”や“のみやすい”といったワードを商品名に使ったり、宣伝文句として使うことがある。しかし、5%=ライトと一方的に決めつけることに違和感を持つ人もいるかも知れない。今回はそういった意識に配慮し、あえて“ライト”“飲みやすい”というワードを使用していない」と、説明する。
 
「加えて、既存の“発酵レモンサワー”以上に“発酵レモンサワー”の価値を楽しめる商品として発売したいという想いもあった。派生商品の一つではなく、むしろ既存の“発酵レモンサワー”を脅かすぐらいの味わいに仕上がったという自信がある。そういった意味を込めて“濃いレモン”という名称でリリースすることとなった」と商品に込めた思いを語った。
 
〈「果汁が増えると飲みづらい」課題は「発酵レモン果汁」で解決〉
開発で苦労したことを聞くと、レモンならではの苦労と「発酵レモン果汁」の素材としてのポテンシャルの高さに触れた。「例えばりんごやぶどうのような果実であれば糖分が多いため、果汁を増やしても決して飲みづらくなることはないが、レモンは糖分が少なく酸味が多く果汁を増やせば増やすほど飲みづらくなるという課題がある。“濃いレモン”開発時もその点について心配したものの、“発酵レモン果汁”を用いればある程度まで果汁分を増やしても飲みづらくなることはなく、比較的すんなりと開発は進んだ」。
 
〈「レモン以外の発酵素材」の可能性も〉
最後にユーザーへのメッセージを聞いてみたところ「“濃いレモン”の果汁感に関しては当社の商品の中でも指折りの濃さで、レモン感を存分に楽しむことができる。その一方で口当たりよく飲みやすい味わいとした。加えて、料理と一緒に食べるにも和洋中問わず幅広く合わせることができることも魅力だ。発酵素材を使用しているため、醤油や味噌などとの相性も良いと思う」とおすすめの楽しみ方を紹介したほか、今後の展開については「当社はレモンのみならず他の素材についても発酵の研究を進めており、今後もお客様に新たな提案をさせていただくつもりだ。ぜひとも楽しみにしてもらいたい」と述べた。