サントリーグループは11月から、スコットランドでの泥炭地および水源保全活動「Peatland Water Sanctuary」を開始する。2030年までに400万米ドル以上を投資し、1,300haの泥炭地保全を目指すと共に、水源保全活動にも取り組む。さらに、2040年までにサントリーグループで使用する泥炭の2倍の量を生み出すことができる面積の泥炭地保全を目指す。

具体的な取組としては、開発や採掘のために排水されて乾燥化した泥炭地の水位を上げて湿潤な状態に戻し、泥炭の堆積を促すと共に、泥炭湿原ならではの植生を回復させて泥炭地を保全する。また、同活動は、水品質、保水機能向上、生物多様性の保全に貢献し、さらに泥炭地は炭素を蓄える機能があるため、CO2排出抑制にも寄与する。

まずは、アードモア蒸溜所周辺地域約15haを対象に、土地を所有するスコットランド森林土地局と、研究・計画および再生工事の遂行を支援するジェームズ・ハットン研究所と連携した泥炭地復元活動を開始し、今後他の地域でも展開していく予定。泥炭地保全を通じて、スコットランドの文化であるウイスキーづくりを守ると同時に、生物多様性や自然環境保護に繋げていく事で、自然と水の恩恵を受ける企業としての社会的責任を果たすべく、今後活動を推進していく。

今回の取り組みの意義についてサントリーグループは「スコットランドでは、湿原はウイスキーづくりに良い水を育むと言われている。また湿原に堆積した泥炭は“ピート”と呼ばれ、ウイスキーの原料である麦芽を乾燥させる大切な原料となる。近年では、この湿原が長年に渡る土地開発や、過度な商業用採掘などの活動によって本来の姿を失いつつあり、長期的に持続可能なウイスキー生産のためには、今から泥炭地保全に取り組む必要がある」としている。
復元され様々な湿原植物が再生した泥炭地(Andrew McBride氏提供)

復元され様々な湿原植物が再生した泥炭地(Andrew McBride氏提供)

 
なお、サントリーグループは、水や農作物など自然の恵みに支えられた食品酒類総合企業として、「水と生きる」をステークホルダーとの約束、「人と自然と響きあう」を使命に掲げ、創業以来、持続可能な社会の実現を目指してきた。なかでも水に関しては、グループ全体で共有する「水理念」のもと、自然環境の保全・再生活動など、さまざまな取り組みをグローバルに推進している。日本では2003年に水源涵養活動「天然水の森」を開始し、全国15都府県21カ所約1万2,000haで展開。今では、アメリカ、インドなど、水保全に関する活動が事業を展開する海外各国にも広がっている。
 
〈酒類飲料日報2021年10月26日付〉