日仏貿易(ギヨーム・カルー社長)のグループ会社であるユニオンリカーズ(アルフォンソ・マルティン社長)は6月21日、東京港区の在日スペイン大使館で日本酒お披露目会「日本とスペイン・食と文化のマリアージュ」を開催した。

今回披露した日本酒は、ユニオンリカーズが千葉県御宿町の岩瀬酒造とコラボし、5月から販売を開始した「岩の井 純米大吟醸 単一田んぼ」シリーズ。同社はこれまで、ワインやリキュールの輸入・販売を行っており、日本酒事業は新たな取り組みだ。

今回の新商品は国内限定だが、マルティン社長によると「岩瀬酒造の既存の火入した日本酒は、アメリカやヨーロッパに向けて輸出の準備を進めている段階」とする。

岩瀬酒造とのコラボのきっかけは、御宿町がスペインと「不思議な縁があること」だった。遡ること約400年、スペインのドン・ロドリゴ総督を乗せた船が、現在の岩井酒造の付近である御宿海岸沖で座礁、御宿町民が船員を手厚く介抱した。それをきっかけに両国の交流が始まったというエピソードが、今回のコラボに繋がった。

岩井酒造が自社の井戸から汲み上げた硬水で仕込む日本酒は「ミネラリーで、非常に綺麗な酸を感じることができる。和洋問わず、バラエティ豊かな料理と楽しめる。ワイングラスで飲むと、さらにその味わいが引き立つ」。海外からの評価も高く、「ロンドン酒チャレンジ2019年」金賞などを受賞した。

「岩の井 純米大吟醸 単一田んぼ」シリーズのラインアップは、使用する酒米によって「玉栄(たまさかえ)」と「五百万石」に分かれる。「玉栄」はキレのあるお酒に向いた酒米とされており「爽やかで繊細な味わい」。一方の「五百万石」は、心白が大きく精米には高度な技術を要し「味わいは複雑で豊か」。いずれも2022年は1000本の限定生産で、首都圏の飲食店での提供と、愛知・熊本などの小売店で販売する。

これらの酒米を生産するのが、千葉県長南町の牧野寛氏。栽培は全て直播栽培(水田に種を直接まく栽培方法)で「40年前から直播に取り組んでいる」という。マルティン社長は、直播のメリットを「土壌からの窒素の吸収が少なくなり、雑味を抑えた低タンパクな米になる」などと紹介した。

お披露目会には在日スペイン大使のフィデル・センダゴルダ・ゴメス・デル・カンピージョ氏も登壇し、日本酒を通じた日本とスペインの交流に賛辞をおくった。試飲は「岩の井 純米大吟醸 単一田んぼ」シリーズの「五百万石×イベリコ豚の生ハム」、「玉栄×羊乳のチーズ」、さらにシェリー酒の「マンサニージャ・ラ・ヒターナ×寿司」の組み合せを提供。取引先やスペイン大使館関係者100名以上が参加し、マリアージュを楽しんだ。
「岩の井 純米大吟醸 単一田んぼ」シリーズ「玉栄×羊乳のチーズ」

「岩の井 純米大吟醸 単一田んぼ」シリーズ「玉栄×羊乳のチーズ」

〈酒類飲料日報2022年6月23日付〉